桜の季節になりました。みんなが見ている桜だと思うと、桜で思いがつながって。いっそう嬉しくなります。桜の詩をふたつほど、載せてみます。
炎夏
宮尾節子
桜はバラ科だから
草木染めの彼女が教えてくれた
あの幹の ボツボツはね
薔薇の棘が退化したものなのよ
夏に涼しい木陰をくれる桜並木の
桜木を手のひらで撫でると
ざらざらした幹はたくさんの古い
瘡蓋(かさぶた)に触れてるようで
急に 胸が詰まった
ここで生き抜くためか
さくらよ、さくら
みずからの棘を抜いて
薔薇をやめた
桜よ
痛くはないか
抜けずにのこる
胸の棘が
いつも読んでくださって、ありがとうございます。
どうぞ、よい春、よい桜を♪