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晴れときどき 宮尾節子


宮尾のブログ talk to who?               
by sechanco
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うたごえ喫茶の「ともしび」

催しのお声掛けを頂いたときに、その場所の名前を見てびっくりしました。そこには、「うたごえ喫茶 ともしび新宿店」とあったからです。「うたごえ喫茶」・・・なんて懐かしい響きでしょう。
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「うたごえ喫茶って、まだあったの!?」わたしの知り合いに言うと10人が10人同じセリフで答えます。「まだ、あったのです!」うたごえが!あの懐かしい歌集があり(買ってしまいました!)壁にはリクエスト曲ランキングまで貼り出してあります。
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新宿で「64年間」うたごえの「ともしび」を灯し続けてくれていた方々、ともしび歌手の吉田正勝さん、相方の小川邦美子さん、店長&ピアニストの斉藤隆さん、そしてしっかりと店を歌声を愛してサポートしておられる熱気がその佇まいや受け答えから、伝わって来るノリノリスタッフの皆さん。中西たみ子さんのアコーディオン(この音色がなくては始まらないアコーディオン!)に店長さんのピアノ、全員そろってお店を盛り上げています。普段でも並んで待っている人がいるために用意された外の椅子席。

明るい音楽室のような店内。わたしたちには、ひとりではない、みんなで歌う、うたごえが、まだ、あったんです!そのあったかい場所の、うれしさに会場につくなり、わたしは感激していました。うたごえ喫茶、熱い!!

『第4回浪江町の小学校校歌を歌う浪江・福島交流会〜いま、浪江・福島から伝えたいこと・首都圏から知りたいこと』という催しで、浪江出身の歌人の三原由起子さんとの対談ということで、わたしも呼んで頂いたのでした。ありがとうございます。

プログラム第一部の、最初は「浪江まち物語つたえ隊」の八島妃彩(ひさい)さんの紙芝居『見えない雲の下で』このお話は、浪江町の語り部で2012(平成24)年6月に84歳で亡くなった佐々木ヤス子さんが、何が起きたかわからない不安のまま、あちらへこちらへと連れ回される原発事故後の10日間の避難体験をつづった手記を基に作られ紙芝居だそうです。佐々木さんから語り部について教わり、続ける約束をしたという八島妃彩さんの、甘やかで切ない声の語りが方言が真に迫って涙を誘いました。
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わたしは事故当時は、テレビから流れて来る無機的なアナウンサーの声で、現場の様子を聞いていたので、それはある意味遠さを感じるものでした。ところが紙芝居を通して、福島の方言でありのままの姿を語り部さんに伝えられると、事故はぐんと身近に迫ってきて「いったい何があったのか、現地のみなさんは実際どうしていたのか、どのような目に合っていたのか」がまざまざと知らされて身も心も揺すぶられるのでした。ここでも、まさに「表現」というものの力強さを感じました。
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つぎは浪江町出身の、元双葉高校教員・門馬昌子(朝日新聞「プロメテウスの罠」にも登場された)さんのお話「放射能にふるさとを追われて」。きちんとデータを並べてつぶさに現状を伝えてくださいました。感情論だけでなく、きちんとデータを出して冷静に伝えてくれる、こういう方が居なければ信頼は根付きません。
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地元の方のお話によると、門馬さんは事故後に体調を崩されつらい思いをされながら数年前に亡くなられたご主人と共に、40年前から反原発運動を真摯に展開され、村八分になったりしながらもその運動や演劇などの支援活動の手を緩めることがなかったそうです。「あの人たちのおかげで浪江は原発を作らずにすんだ」とのことです。それなのに、結局はこうして避難しなければ、行けなくなったということが、何とも無念だったろうとたいへんお気の毒で胸が詰まりました。



第二部が「表現者として」と題して、浪江町出身で『ふるさとは赤』という歌集を出して話題になった三原由起子さんと、つたないながら震災関連の詩も書いているわたしの対談でした。三原さんに作っていただいたスライドで、詩や短歌、そして浪江町の映像など流しながらお話をしました。
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表現のストレートさで、我々は似たところがあるのかも知れません。打ち合わせのたびに、そうだそうだ、と気が合っていつも話がはずみます。彼女は歳の離れためんこい妹のような感じです。やんちゃな妹がちょっと言い過ぎるところを、まあまあおさえておさえて、という感じで待ったを入れる良い役回りを(年の功で)演じられる、わたしはお得です(笑)。東北出身の彼女と、南国高知出身のわたしが、こうして繋がっているのは、表現だけではなくて、とおくに「ふるさと」という共通項があるからなのでしょう。そしてそれぞれが胸にもつ、この「ふるさと」への思いこそ、被災地の方とつながる大事な架け橋だと思います。

「波が」という詩を彼女が読んでくれたとき「こっちのひとかと」思ってくれたそうで、実はそうでない(テレビを観ていて作った)ことを知って驚いたそうです。震災の詩は、実際体験していない、被災者でないものが書くことに躊躇があります。戦争関連も同じことでしょう。それは懸命な躊躇だと思います。でも、わたしは書いてしまうのです、気がついたら書いている、勝手に動いて書いてしまう、書かずにはいられない、困った書く手があるのです。。

そして、我に返って。いっつも書いたあとで、躊躇して怯えています。そして。何を書いてしまったのか、こわいまま、わからないまま「助かるように、うまくいくように、救われるように」と祈るようにして、発表してしまうのです──。でも読者に、どのようにとられるか、わからない。だから、ごめんなさい、みたいなすくむ気持ちが、いつもこころのそこに、あります。。

              ***
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いやなこと、かなしいことは、忘れたくなる。忘れないと、やってけないこともある。でも、忘れてしまうと都合のいい人もいる、こと。その元気に生きるために、いやなことやかなしいことを忘れようとする、人間の本能を、利用しようとしている者たちがいることも。どうぞ、忘れないでください。

忘れないと悲しくなって、元気がなくなる。元気を出そうとすると、忘れないとやってられない。この両方に、被災地のひとは、引き裂かれ、心も人間関係も、分断されているのではないでしょうか。福島のひとたちの陥ってる問題は、人間の生存本能の問題にも食い込んでいるほど、難解でやっかいだと思います。

元気を出すためには、忘れないといけないか。忘れるということは、しかし風化につながるでしょう。そこで、三原さんと話して、いやもう一つあるはずと思いつきました。「元気で、忘れない」という方法。

「元気で、忘れない」これで行きましょう。

沈黙は
日ごとに解けて
いくように
一人
ひとりと
声を束ねて

 
 ──三原由起子『ふるさとは赤』より


この歌に、「元気で、忘れない」方法が。そして、61年間という年月を幾多の山越え谷越え波乗り越えて、みんなで歌う場を提供してくださっているこの、うたごえ喫茶「ともしび」の灯の中に、ここに集う人びとの歌声の中に、歌う歌の歌詞のなかに。「元気で、忘れない」答えが、たくさんあるのではないでしょうか──二人で、おこったり、わらったり、しながら、そんなお話をさせて頂きました。

そして、表現者は「弱い声」(強い声ならどこにでも聞けますから)を。声なき声を。どこまでも、探しながら見出し、発信して行かなければならないのではないかと、そんな話などを・・・・

聞いてくださって、ありがとうございました!


第三部は 「みんなでうたいましょう」というコーナーで、「うたごえ喫茶」の本舞台です。たくさんいらっしゃっていた浪江の方たちと一緒にプリントが配られた「浪江小学校 校歌」をみんなで合唱しました。
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あおば西の山青く
海風かよう空晴れて
朝日あかるくさす庭に
そびえる そびえる
      浪江小学校

丈六山の花よりも
ほまれをあげた人びとの
あとを学びて年ごとに
のび行く のび行く
      浪江小学校

高瀬の川に若あゆの
おどれる力身にしめて
きたえ進まんほがらかに
かがやく かがやく
      浪江小学校

           (作詞 作山美八 作曲 佐々木俊一)


──この歌の場所に、帰る日は、見えません。

*(浪江小学校は現在は、二本松市の仮校舎に移転しているそうです。)

          ***

みんなの喉があったまってくると。
歌集が渡されて、「では皆さんで歌いましょう、高原列車。赤い歌集の、164頁です!」(「歌集の、何頁!」ああ、懐かしいフレーズだ。京都にいたとき「炎」といううたごえ喫茶の歌集を持っていました♪)大好きな歌です。この歌は福島の歌だと聞いてびっくり。その昔、福島県の川桁駅から出ていた沼尻鉄道という軽便鉄道がモデルだそうです。

ランラララ・・・
高原列車は ラララ 行くよ


高原列車は 元気に 忘れずに ラララ 行こう!

              ***

ゲストのベイビー・ブーの男声合唱グループも、耳心地の良い、声も楽器もぜんぶ歌声(!)で、素晴らしかったです。☆ベイビー・ブー
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*吉田さんの歌声(話し声まで歌声のようで素敵)、盛り上げてくれる店長さんのピアノ、みんなを導く小川さんのリードのうまさ、お人柄の楽しさ、ハートフルなスタッフの方がた、「うたごえ喫茶 ともしび」のあたたかい「灯」にいつまでも浸っていたかったです。お呼び頂いて、こころより感謝です。

だいじょうぶ♪ 
新宿に、ひとの「うたごえ」あり、こころの「ともしび」有り。
ありがとうございました!
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(*お借りした写真(対談)もあります、ありがとうございました。)




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by sechanco | 2015-06-29 09:56 | 詩関連
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