こまつ座『十一ぴきのネコ』アフタートーク終わりました。拙い話を聞いてくださった方、サイン会に並んでくださった方、ありがとうございました!
衣食足りて礼節を知るのではなくて、衣食足りて人を知る。人間の変質は何かを手に入れた時に始まるのではないか、このお芝居から人のサガの悲しさ怖さを感じるそんな話や、
井上ひさしさんの作品のもつ普遍性はユートピアもディストピアも、向かい合うあちらとこちらの岸、いがみ合うあちらとこちらの人、そういう対立する二つではなくて。ほんとうはひとつの岸、ひとりの人のこころの中にすむ、二つではなくひとつに存在するんだよ、ということを伝え続けてくれていて、その身に覚えのある感じが普遍性につながるのではないでしょうか
そこに希望も絶望も、絶望も希望も見出せる…というような話をさせてもらったつもりですが…みなさんに届いているといいけれど。
「人間のしあわせの天井は、あんがい低い」不幸の井戸は深く掘れるけれど…そんな話もしたかったのですが、忘れちゃった(笑)
太陽がまぶしかったから…異邦人のカミュではないけれど、目が疲れていたのか。やたら会場のライトがまぶしく感じて、何だか気持が落ち着かず、いちばん言いたかった大切なことが、うまく話せなかった感じが、ちょびっと心残りでした。ごめんなさい。もっと場慣れしたいものです。。
でも、こまつ座のみなさんはスタッフさんも役者さんもこまつ座大好きオーラがあふれていて、こちらも幸せになる感じです。井上さんのことばは、みなさんの思いでいつまでも、生き続けていける、井上ひさしさんは幸せな作家さんだなあと思いました。きっと人間が大好きで、みんなのことを思って、作品を書き続けたから。人間に好かれ、みんなに思われ続ける、愛情の照り返しなのでしょうね。
踏まれても蹴られても、怒らない、恨まない、絶望しない、にゃん太郎さんは。絶望の世の、希望の化身のようでした。最後に彼を受け止める、にゃん十一さんのキャラもなかなか深いものを突き付けてくれます。
観劇のお値段が高めなので、お子さんは1000円という破格設定です。少し奮発して親子でお出かけ頂ければ、親子ともに、忘れられない作品となることでしょう。ネコたちの愉快な歌がとっても楽しいですよ。
トークのときにまもなく開店する飯能のお店のことまで、井上さんに伝えていただき恐縮でした。ありがとうございました!