晴れときどき 宮尾節子


宮尾のブログ talk to who?               
by sechanco
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クローエと白鳥

ずっとずっと さがしていた
はたちぐらいのころか その前か
京都のまちなかで 見つけて気に入って 買った一枚のポスター

それを 誰かにパネルにして もらった
それを ずっと部屋にかけていた 何度も引越ししても
担いで行った だから わたしの青春というものは この少女のそばにあった
といっても 言い過ぎではない
だから わたしの友達や そのときどきの恋人たちは 
この写真(少女)を知っているはず 覚えているはず

れんあいも しつれんも けっこんも りこんも この少女は しっている
でも 肝心のわたしは 知らなかった この少女が いったいだれで
なにゆえ このような ポーズを取っているか すら

それがこれ
(奥にみえるパネル)
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でも 少しずつ 誰かが
情報を 置いていってくれた これを見て
せかいで 一番最初の 最年少ヌードとか
『春のめざめ』という映画のシーンらしいだとか
さいしょ 少年だと思っていたのだけど だんだん胸がふくらんできて
(そんなわけないが)
少女だと わかったけど マリオという 名前をつけたりした

どうしても 中性的な名前でなければ  ならないと思ったし
(マリにオがつくからと まあいい加減な)
なぜいきるか 問うこともないまま 浮きつ沈みつ
なもしらない 少女と 人生の大半をともにした

上の写真は パネルのさいごのものだ
いろいろ事情をへて 某地の某古民家の 蚕棚のある屋根裏部屋をかいりょうし
独居していたときのもの この後 ついに もういいか…と
処分をする

しかし 少女を知りたい 思いはずっとわたしのなかに 生きつづけていた
ずっと ずっと 

やがて 便利な
インターネットの時代になって さっそく 映画名で検索を何度かしてみたが 
当時は まだあまり細かい情報は あがっていなくて さっぱりヒットしなく
なんだか あやしげなサイトにつながったりして そのうち あきらめた

写真とはいえ 我が青春時代の すいもあまいも 苦も楽も ともにした少女である
いつか 君の名を知り このシーンが動きだす ひがくるかもしれない

なにゆえに これほど ゆううつげで なにゆえに このようなポーズで いるのか 
などなど
いつか いつか と思いながら 日々の暮らしに追われ 記憶のそこに まいぼつして しまっていた
少女が とつぜん やってきた


ここにいま
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彼女の名前は クレオパトラ・ロータ
役名は クローエ

映画の名前は 春のめざめ (原題は Young Aphrodites)
16歳の高校生 女優さんではなく素人起用・彼女の初出演の映画だったとのこと

映画監督は ニコス・コンディロス
製作1963年 劇場公開1964年3月7日
のギリシャ映画だった

ふと思いだして
「春のめざめ」で検索しているうちに ネットのオークションにぐうぜん出ていた
たった一冊の 映画のパンフレットを 手に入れたのだ!
(*2007年公開:アレクサンドル・ペトロフ監督「春のめざめ」は別物。)

a0082132_20182113.jpg

「春のめざめ」*物語*
少女クローエ(クレオパトラ・ロータ)は海の辺で鳥を獲るのに夢中だった。干害を慮って、牧人達が水を求め海岸にやって来たのは、そんな夏のある日だった。牧童のスキムノス(ヴァンゲリス・ジョアニデス)は、クローエの無邪気な美しさにひかれその後を追う。貧しい海岸の集落の男達は漁に出て一人も残っていない。漁夫の妻アルタ(H・プロコピウ)の姿をみた牧人のツァカロス(タキス・エマニュエル)は彼女に強くひかれ、求愛した。彼女にも彼の心がわからなくはないが彼をうけ入れれば、この村にいることは出来ない。だが、二人の間には恋が生まれた。夏も終りのある日、激しい雨が降り、牧人達も山に帰る仕度をはじめた。別れられない強い愛情にかられた二人は、人目のつかない岩陰でその愛を確かめあっていたが、雨を避けようと岩を探していたスキムノスとクローエがそれを目撃し、心の底に潜んでいた性の衝動が湧いた。アルタは家も夫も捨てツァカロスら牧人たちと山へ帰っていった。大人二人の愛の情景を垣間見た、牧童のスキムノスは集落に残ることを決心、それに気づいた牧人達の追手を逃れて、クローエのもとに帰ろうとしたが、途中で少女が牧人に乱暴されているのを目撃した。激しい絶望がスキムノスを襲った。その驚きに耐えられなくなった彼は海の中に身を投じたのであった。その海面にはクローエの大切にしていた鳥の死がいが漂っていた。
*映画.com http://eiga.com/movie/65892/ より引用。




それは

山から降りてきた羊飼いの少年と

白鳥を愛する海辺の少女の

まだ 両性わかちがたい 年頃のふたりの

愛と性のめざめの 物語だった


(*映画にはもう一組の成熟した男女の性愛も同時に描かれているとのこと…)


そして詩も
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<春のめざめ>によせて
            谷川俊太郎

愛ということばが生まれようとしている
クローエの息の中から

心と体がわかれようとしている
クローエの乳房の下で

海辺の村の愛のあけぼの――

その潮騒はいまにつゞいて

少女のなかに今日も二羽の鳥がいる
殺された鳥と放たれた鳥と

*パンフレットを開くと扉見開きの左ページには
なんと 谷川さんの詩が 掲載されていた

やがて死骸となる
白鳥は
ふたりの愛のシンボルだった
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「こんなにも 美しくふしぎな感動をさそう作品には、生涯にもめったにめぐりあえぬと思います。」
大自然のなかでの「ボーイ・ミーツ・ガール」の物語だと小森和子は解説を寄せる。
「無限にひろがる夢」と「私は若き日々へのせつないほどの郷愁をかきたてられる…」と。

古いパンフレットをめくりながら
ふと もうひとつのことに わたしは気づく
春のめざめの 原題が Young Aphrodites(ヤング・アプロディテー)
であることに


*アプロディーテー
アプロディーテー(古典ギリシア語:ΑΦΡΟΔΙΤΗ, Ἀφροδίτη, Aphrodītē)
またはアプロディタ(アイオリス方言:ΑΦΡΟΔΙΤΑ, Ἀφροδιτα, Aphrodita)は、
愛と美と性を司るギリシア神話の女神

これだ
a0082132_20210683.png
*文・画像Wikiより

これは
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このポーズは

美と愛と性を司る
上のアプローディテー像の
ポーズをとったものだった


a0082132_20215760.jpg

ついに
ともに生きた
少女がいったい誰であるかを
わたしは
つきとめたのでした
・・・
長い長い年月を経て
・・・
クローエという名の
わたしは
若きアフローディテーと
ともに生きていたのだ…!
という 
しあわせな結末の

ながいながいお噺でした

おしまい

 
このパンフレットは わたしの誕生日の 前日に届いた
そして 海外版の DVDが 今日あたり 届く予定です

はじめて 彼女の生き生きと動くすがた そして その恋物語に 触れることになりそうです。

わたしは 再び彼女を通して わたしの青春にも 再会することでしょう

たのしみです。




*これを書いていて、いい感じになった途中でアクシデントにより、全部消してしまい
かなりへこみました。 そのへこみから、立ち直れるまま、はしょった 書き方を
してしまいました。それが、残念ではありますが。。これにて。

読んでくださって、ありがとうございます。







だいすきな
花の花束と
だいすきな
木の実を
いただきました。
それと
「お月さまとネコに聴かせるだけでいいと思って弾いていたの」
というフジコ・ヘミングの
言葉を添えたカードと
シャンパーン!を

ありがとう!

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by sechanco | 2016-06-27 13:22
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