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晴れときどき 宮尾節子


宮尾のブログ talk to who?               
by sechanco
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震えているか

震えているか。
              宮尾節子

わたしは賛成です。
ここで思いを述べている人たちを
どこの誰だということを、まずは忘れて
(それを知るのは、あとからでも遅くはない。)
同じ人間の声として、目をつむり、あるいはしっかり目をひらき。
すべて語ることを、耳を澄ませ、じっくり聞いて、
それでも、どうしても彼らが間違っていると思うならば。
あなたが自分自身を正しいと思うことに
わたしは賛成です。

わたしは反対です。
ここで思いを述べている人たちの
どこの誰だかは、よく知らないままで
(それを知るのは、あとからでも遅くはない。)
同じ人間の声として、目をつむり、あるいはしっかり目をあけ。
すべて語ることを、ひと言漏らさず、しっかり聞いて、
そのうえで、あきらかに彼らが正しいと思うならば。
あなたが自分自身を間違っていると思うことに
わたしは反対です。

わたしは弱い力しかもちません。わたしは自分しかまもれません。
最後はきっと強い力に負けます。最後はきっと他人を見捨てます。
もし、あなたが人間であるならば。わたくしも同じく人間です。
そして、もちろん彼らも同じ、弱い力の人間です。

ただひとつ、言えるのは。
わたしたちが、まずじぶんのことを一番に考える
(それは、当然のことだ。)
のに対して、彼らは。
ここで、思いを述べている人たちは、一番のじぶんのことより、
じぶんたちのことよりも、あなたがたのことを考えていること。
(つまり、まだ他者を見捨てていない。)
その一点において、
彼らとわたしたちは、あきらかに一線を画す。

なぜなら。
じぶんたちのことだけを考えるなら、彼らはものを言わない。
怖くてものを言わない、わたしたちの心が震えているように
もの言う、彼らの足は震えている。
(それが、まかり通ることに!)
震えているか、賛成か反対かじゃない
震えているか。

(*共謀罪に反対するジャーナリストら十四名の共同声明を聞いて。)
震えているか_a0082132_15512807.jpg
*岩上安身さんのIWJ(インデペンデンス・ウエブ・ジャーナル)に特別公開されている、動画と全文文字起こしの文章を読んで、書いた詩です。内容は↓こちらに。

「共謀罪は自由な情報発信を殺す」――ジャーナリストら14人が共謀罪に反対する共同声明を発表!(*2017年4月27日の共謀罪反対声明のIWJによる動画および文字起こし

<書き起こし記事より抜粋 です。>

私たちは「共謀罪」法案に大反対です

「共謀罪」は、まだやっていないことが取り締まりの対象になります。

「共謀罪」は、私たちの内面の自由、プライバシーを踏みにじる道具になります。捜査機関に際限のないフリーハンドが与えられ、監視社会が現実化するおそれがあります。監視のまなざしは人々に内面化されていきます。人々は心を閉ざす方向へと向かいます。何とか自分を守るために。
震えているか_a0082132_15520607.png
◯「その団体が犯罪に走るかどうかを、警察はどうやって捜査するのかというと、盗聴、盗撮、スパイを潜り込ます。この3点しか方法はないんです。」(大谷昭宏

◯「こういう一連の流れは、安倍政権4年間のアメリカとの一体化から来ている。安保法制、集団的自衛権、秘密保護法、共謀罪、すべて連動している。これらが一体のものとして出てきているという視点を持つ必要があるというように思っています。」(岸井成格)

◯「共謀罪に反対している人は左翼だという認識で、保守がこれに反対するはずがないと思っている。一般の90%以上の人が、『自分は一生テロも犯罪もするはずがないから、関係がない」と思っています。」「ふつうは、ほとんど90%以上の人が、もの言わぬ市民として暮らして一生を終えますよ。けれども、何かあったとき、例えば、わしが関わった薬害エイズ事件のようなことがあれば、(略)こういうときは、権力と戦わなきゃいけなくなるんですよ。

◯だから、もの言わぬ市民のはずが、被害を被ったときは、もの言う市民に変わるんです。そんな場面を、ふつうの市民が想像できるかどうか、ここにかかってるんですよ。ものを言わねばならない市民に誰もが変わる可能性がある、ということを」(小林よしのり)

◯他にも、今はそこら中にある監視カメラ網、その顔認識システム、GPS捜査とか、目の虹彩、網膜、指紋、声紋、掌紋など、いわゆるバイオメトリックスが全て連動して、私たちの一挙手一投足が政府に見張られ、それが民間にも開放されて、マーケティングの役に立たされていく。◯そうなったら私たちは、人間というよりは単に息をする財布であり、政府の思い通りにただ操られるだけの生き物になります。共謀罪というのは、その最後の仕上げだと思います。ものを自由に考えたり、主張したりということは、もう一切許されなくなる。許されるにしても、それはお上の判断次第。(斎藤貴男)

◯『表現の自由、言論の自由、報道の自由を著しく破壊するものである』とあり、これだけだと、マスコミ従事者、フリーのジャーナリスト、あるいは小林さんのような表現者、といった人たちだけが対象なんだ、と思われてしまうのではないかということです。1億1千999万人ぐらいは関係ないと思われがちですが、そうではなく、共謀罪は2人以上の会話、手紙、メールを対象とするわけですから、本質は、コミュニケーションの自由を侵すということです

◯内心の自由だけではなく、コミュニケーションの自由をすべて奪う、あるいは監視下に置くということです。マスコミュニケーションだけでなく、通常のコミュニケーションも全て含まれます。1億2千万人のあらゆる人が使うメール、SNS、電話、さらに口頭のコミュニケーションが対象になります。遅きに失してないと思いますので、これを強く、お伝えしたい。

◯もう一つ、この共謀罪に関して指摘しなければいけないことは、ありとあらゆる人のコミュニケーションが対象になるはずですが、政治的権力者、経済的権力者の犯罪は除外されているんです。(岩上安身)

◯私は長い間テレビの報道に携わっていて、皆さんの側から見てきました。これまでも情報公開法、特定秘密保護法、電波の停止発言のときには、テレビで仕事をしている人に声をかけて、こういう記者会見を開きましたが、共謀罪というのはそれらに比べてレベルが全く違う、稀代の悪法だと思います。

◯すでに何人かの方がおっしゃったように、これは平成の治安維持法です。まだやっていないことについて、人間の内面を裁くという、とんでもないことが起きようとしています。

◯声明文の中に『監視の眼差しが人々に内面化されていく』という部分があります。パノプティコンという監視システムがありますが、人は、自分から見えない者に監視されているという思い込みがあると、監視されていようがいまいが、自分から監視者に合わせて自分の自由を放棄するほうに進みます。メディアの自粛とか、自己規制、忖度というような言葉がありますね。監視の眼差しを内面化することが起きている。(金平茂紀)

◯私から特に言うことはありませんが、共謀罪がなんでまずいのかということを話しているということ自体が、そもそも非常に不思議です。

◯そもそもテロを防ぐ条約ではないわけです。そのために必要な『テロ準備罪』と、主要メディアが平気で呼んでいる。そのこと自体が僕には信じられないです。これに反対をしなければならないこと自体が信じられない。ありえない。『バカ言ってんじゃないよ』の一言で終わりにならなければおかしいのに、これだけ人が集まって、その法律のどこがおかしいのかということを真顔で議論していることが非常に不思議で、外国人記者から『どうなってるんだ』と言われます」(神保哲生)

◯「50年ほど日本の政治を見てきておりますけれども、私は、この法案以前の話で『教育勅語を賛美するような内閣が用意するものは、すべからく信用できない。こんなもの潰さないかん』とずっと思っています。

◯もともと私自身は自分の立ち位置を、右でも左でもなく、なるべく真ん中あたりに置こうと、ずっとやってきたんですが、気が付いてみると、いま私はかなり左のほうに位置づけられているんですね。ここにおられる人の大半も『最近あんまりテレビで見ないな』という感じで、世の中全体、特にテレビの業界は忖度が働いて、みんな外されている感じがするんです。世の中、本当に右傾化していると思います。(田勢康弘)

◯共謀罪の問題を単純化して語るならば、進めたい側が『安全を取りますか。それとも人権を取りますか』と突きつけているという構図だと思います。もちろん、その議論に乗るか乗らないか、そもそも監視を強めることでどれだけテロ対策になるのか、といった個別の議論はありますが、この構図がなかなか共有されていないと、感じています。(津田大介)

◯私たちはいま、そういうとんでもない時代の曲がり角に生きているということを皆さんには自覚していただきたいと思います。戦後70年ずっと見てきて、私はそう思います。

◯みなさんがおっしゃるように、今回の共謀罪の最大の問題は、私たちの内面に侵入し、何を考えているか、何をしようとしているのかを、警察、公権力がさまざまな手で察知し、何らかの手を打つ。

◯この共謀罪がもし成立すれば、何にもしていなくても、罪を犯さなくても、考えていることや、誰かと話してることが共謀罪で警察と検察によって認められ、逮捕されてしまうというような事態が起きてもおかしくないと思います。(鳥越俊太郎)

◯ご存じの通り、現段階において、警備公安警察というのは、もう既にかなり危うい捜査を日常的に行っているわけです。そこに政権が制度的な保証を与えてしまうということ、さらに加えて、新たな権限を付与するということがどれだけ危険なのか、それを我々は認識すべきではないかと思っています。

◯共謀段階から捜査するためには、我々の日常的な会話を含むプライバシーに網をかけることができなければ、共謀、共同を立証することはできないわけです。ですから、一般人は無関係ではありえません。

◯テロリストはテロリストの看板を掲げていません。テロリストにも犯罪者にも日常があり、その日常を私たち一人一人も共有しているわけです。つまり何が摘発されるのかよりも、私たちが日常の捜査の網のなかに含まれるということに、危機感を持たざるを得ません。

◯私たちが守らなければならないものは何か。保守であるのであれば、私たち自身で、私たちの社会が築き上げてきた言論の自由、表現の自由、民主主義を死ぬまで保守する必要があるのではないかと思っています。社会を萎縮、沈黙させることは保守でもなんでもなく、社会を壊すことです。(安田浩一)

◯一つ私がどうしても言っておきたいことは、この共謀罪は憲法に違反しています。思想の自由、表現の自由、憲法で定められた19条、21条にある法律です。また、憲法の35条には、令状なしに自分たちのプライバシーや所持品などを捜査されない権利が定められている。ところが、共謀罪では、この令状なしに踏み込んでくる。そういう憲法違反の側面というのを非常に濃厚に持っているということを忘れてはならないと思います。

◯ありとあらゆる言論、表現、良心、内面の自由に関わる法律は、常に悪質化するということです。(略) こういう良心に関わる、内面に関わる法律は必ず悪質化する。必ず強制力を伴う。これは過去の経験、過去の歴史がそう教えているだけではなくて、今の、現実もそう教えています。共謀罪はそうなっていく可能性が非常に高いと懸念しています。(吉岡忍)

◯警察の取材というのをかつて長くしていました。今日、国会、参議院の議員会館でやっているのは偶然なんですが、国会にも近いということで一言だけ申し上げたいんです。

◯僕らが異議を申し立ててきたのが、特定秘密保護法、通信傍受法の強化、盗聴法です。さらに去年の司法取引導入、それから今回の共謀罪。つまりこれは、警察に次々に武器を与えているということなんです。

 警察官の人たちは、おおむねまじめですし、一生懸命仕事してるんですが、強力な実力組織だから、政治がきちんとコントロールをしないと危ないという恐れを、政治家の人たちは本来持っているべきだと思うんですね。

◯しかし、特定秘密保護法も通信傍受法も、次々にやすやすと与えているんです。(略)共謀罪がどうなるかは分かりませんが、歯止めをかけようとか、恣意的な運用をさせないようにする、といった工夫を凝らしている節がまったくない。このまま警察に次々と武器を与え続けたら、後悔するときがいつか間違いなく来ると思っています。(青木理)



震えているか_a0082132_15523750.png
動画と書き起こしには以上のようなことが話されていました(その一部の抜粋です)。
みなさんの真摯な訴えが心に刺さりましたが、とくに
テロリストはテロリストの看板を掲げていません。テロリストにも犯罪者にも日常があり、その日常を私たち一人一人も共有している」という安田浩一さんのことばに「そういうことか…」との思いを持ちました。

いくら法案が通ってもテロリストではないわたしたち一般人が、捕まるわけがないとの思いが、正直わたしたちの根底にある。確かにテロリストではないが、問題はそこではなかった。
テロリストと一般人の共有するものがひとつある。
それが「日常」。ここに網が張られるということが問題なのでした。
つまり私たちの日常、普段の暮らしのいちいちが監視されるということの怖さです。

もう一点は、人の内面に権力が介入する怖さです。
わたしたち表現する者は、フィクション(虚構)を取り入れることによって、現実を見つめ直すあるいは、違う角度から現実を知り直す、そんなことをしている存在かもしれません。厳密には、フィクションの補強によって成り立つのがわたしたち詩歌小説などの表現の世界なのです。その踏み板としての虚構部分に、介入されるとどうなるか。。という懸念が生まれることです。それだけではなく、どうやら家族のあり方まで、介入がありそうな雲行きですね。。

そうならざるを、得ない厳しい状況や乱れた社会があることは確かですが。そうかといって、大きな力が、一気に解決にむかって、行き過ぎてしまうこと、国会の強行採決の場面を何度も見せつけられて、その暴走を止められない恐ろしい状況が今、来ているように政治には疎いわたしですら、思わずにはいられません。それが、多くのひとに潜在的な不安として、どんどん蓄積していってるように感じます。

また。

この声明の質疑応答の最後のほうで、

岸井成格さんが、警告されたこと。。このことこそが、時には親近感すら感じつつ(それは近親憎悪も含め)安倍さんの言動から目が離せなくなってしまう理由でした。

それは、なにか。それは、彼がたいへん「ことば師」であること。
もしも、詩歌人をことばのマジシャンというなら
かれも、同じ穴の、仲間のにおいがするからです。

岩井さんはいいます。
いろいろな視点があると思いますが、今日の議論で触れておく必要があるのは、安倍政権の政権運営戦略の基本に、言葉の使い方にものすごく神経を使うということがある。(略)『この言葉は使わない。この言葉を使おう』ということを、積極的に戦略としている。だから国民は非常に騙されやすいんですよ。

 安保法制もそうです。実態は、米軍と一体化する戦争法です。それによってスーダンにも出ているわけです。集団的自衛権とは、他国のために自衛隊が戦うことです。そんなことは分かり切っているのに、国会では『そうではなく、国民の生命、財産を守るためだ』と言うんですよ。うそばかりの連続で、どの法案も強行採決してしまう。これが最大の問題だと思いますね。安倍内閣は、言葉の使い方を非常にうまく利用して、結果的に国民を騙しているということが非常に多いということが問題です」

岩井さんは、国民を騙している、というけれど。わたしは、そうは思わない。
国民によいことを、してると、本気で思い込んでいると思う。


それは、
詩を書き始めの者が、よく陥る過ちのように
ステロタイプな借り物の表現に、自ら酔って(陶酔)しまうことです――。
そんな、恥ずかしいところも、そっくりです。


わたしは、政治のことを語れる器ではないです。これ以上はもうやめます。
ただ、政治のことをふくめ、歌う器ではあるようです。
歌のような詩は、勝手にどんどん、指から出てきます。
なぜかは、わたしにも、わからない。です。。

なので
ここに、もうひとつの歌をおいて、おわります。

震えているか_a0082132_16101295.jpg

うそを守れ

      宮尾節子


守りたいのはうそだ。

わたしは、うそを守りたい。

うその何を守りたいか――

うそがどこまでもうそである、健全さを守りたい。

ある日 うそがうそでなくなることが、何よりおそろしい。

うそが決してほんとうにならないことを、だんこ守りたい。

うそは私たちが作り出した、うその国のたいせつな宝物だ。

うそは私たちの暮しの糧、うその国のだいじな商売道具だ。

うそは私たちの命を守る、絶対安全なシェルターでもある。

それなのに、

あなたがた、ほんとうの国の経済が立ち行かなくなった。

あなたがた、ほんとうの国の政策が立ち行かなくなった。

あなたがた、ほんとうの国の治安が立ち行かなくなった。

からという理由で、

私たちうその国から、我々のうそをつぎつぎと持ち出し始めた

あなたがた、ほんとうの国へ――

うその言葉は、うその国で使うから誰も傷つかなかった。

うその約束は、うその国で破るから誰もが笑っていられた。

うその武器は、うその国で打つから誰にも当たらなかった。

うその暴力は、うその国でするから誰の血も流れなかった。

うその殺人は、うその国でするから誰も死ななかった。

うその法律は、うその国で決めるから誰も捕まらなかった。

なのに、うその国で生まれた、あのひとは

それを全部、ほんとうの国へ運び出そうとしている。

まるで、良いことをするかのように――

ほんとうの国へ持ち出したら、うそは全部ほんとうになる。

たいせつな国の財産を、根こそぎ取り上げられた

うその国の怒りによって。

わたしの守りたいのは、うそという安全圏でのどこまでも自由なうそだ。

玩具の兵隊の夢は、本物の兵隊になることじゃない。

うその夢は、ほんとうの国に行くことじゃない。

うそのままで自由に、うその国で暮らすこと。

そんなに、うそが好きなら――

おまえが戻ればいい。

おまえの生まれた、うその国へ。

戻って来れば、

どんなことがあっても、みんなでおまえを守る。

みんなできっと、うそを守るように、おまえのほんとうを守る。




共謀罪、テロ等準備罪法は結局決まってしまいましたが。
つよく、ふかく、ながく、反対しつづけると彼らの声明にあるように、
書いてしまいました。

とりとめのない、一人語りを
よんでくださって、ありがとうございます。







震えているか_a0082132_00475414.jpg


by sechanco | 2017-07-02 16:34 | 詩関連
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