晴れときどき 宮尾節子


宮尾のブログ talk to who?               
by sechanco
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札幌・豊平館トークと朗読会レポート。ありがとうございました!

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<2017年4月22日(土)13:00〜16:00>
札幌豊平館での<pw連詩組と北の仲間たちトークと朗読会>おかげさまで、大盛況にて終えることができました。
ありがとうございました!翌4月23日の北海道新聞にも札幌のイベントとして取り上げていただきました。
初めての札幌でしたが、良い記念になりました。
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*第一部は、ゲストの番場早苗さんとのトークから始まりました。番場さんは冊子『pw30』にもご参加頂き、現代詩手帖の共同詩の企画pwGT組のときもツイッター連詩にご参加頂きました。お会いするのは二度目なのに言葉の上では長いおつきあいなので、旧知のようにすぐに打ち解けてあれこれ話がはずみました。
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ツイッター連詩に参加しての話がはずむなか、30人でつないだpw30では3番目を担当してくれた番場さんのツイート詩と最後のわたしのツイート詩が「呼応」していることを、当時は気付かなかったのに。改めて冊子を開いてにわかに気づいて、ことばの不思議さにふたりで驚いたりしました。
「まだ終わってないよ」の番場さんのことばに……
「うん、終わってないね。だって、この星は、Still blue,
まだ青い。」
*下が冊子『pw30 The sounds of dive 』より。
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その青にあわせて、番場さんはブルーのお洋服にブルーのスカーフをして
現れてくださって、お心遣いに胸がいっぱいになりました。
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ツイッター連詩について、それはネット環境さえ整えば誰にでも開かれた詩の発表場所になることや、連詩をすることによって、自分だけの閉じた詩の世界から他者の詩の世界と越境しつながれること。その詩と詩のつながりから、こうして人と人のつながりに広がっていけること。それは、暗い夜空でぽつんと光る一つ星が連詩によってひととき
他の星とつながりあい、ともに大きなひとつの星座を描いてみせることができる。そんなわたしの思いの……pw連詩についても「ツイッター連詩という、同時性と広域性を持つ共同詩ジャンル」としてご紹介くださり番場さんからとても温かいエールと励ましもいただきました。
そして、ツイッター連詩から始まって、今回『詩と思想』の新鋭に選ばれた
西原真奈美さんの詩についても触れてくださいました。
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番場さんの朗読タイムには、わたしの詩集『恋文病』から「中空遊泳」を、もったいないほど素晴らしい解説をいただきながら、読んでいただきました。ほんとに詩をふかく受け取ってくださっていて、胸が熱くなりました。

ご自分の詩は、pw連詩に参加したときの思い出に。「鬼が出てくる詩」をということで、詩集『鬼捲り』から同題の詩と最近の詩「奔る春」を読んでくださいました。

あけがた
鬼を殺す夢を見た
目を開けたら
白い障子が真っ赤に染まって跳び起きた
窓を開けたら
流血みたいな大森浜の朝焼けだった
ああ朝陽は闇を破って生まれてくるんだ
(砂の上で/詩集陸繋砂州(トンボロ)』より

ここにも番場さんの鬼の詩がありました。鬼を突き抜けて朝が恵まれる詩が。
鬼を書いてもどこかしら地熱のような懐の暖かさ・深さ・寛さに包まれて
何もかも赦されたようにほっこりにっこりしてしまうのは
番場さんの慈愛に満ちたお人柄でしょうか。。
鬼が出てきた連詩とは、こちら「詩のレシピ7」

(*2014・現代詩手帖11月号特集・共同詩の一環です。)

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ケッシテ手スサビニタベタリシナイヨウ
口をつけて捨て置けば
錆いろに汚れていく
林檎とは傷みやすい時間のこと
(林檎期/番場早苗)
a0082132_20491763.pngわたしも番場さんの大好きな詩集『陸繋砂州(トンボロ)』の中から
「林檎期」を「ほらこんなところが色っぽい」「こんなところはくらくらして目眩がしそう」「この転調がたまりませんね」とかちゃちゃを入れながら笑、楽しく読ませてもらいました。番場さんの詩は、言葉の多様性・多義性を余すところなく愉しんおられるようで。人間沼の浮きつ沈みつに触れながらも、決して呑まれず。さまざまに変化変容しつつ渡っていくところが、素晴らしい持ち味です。
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*つぎはわたしの朗読タイムで、アフガニスタンの戦禍をくぐってやってきた「ルバーブ」という絃楽器で、
よく朗読ライブでご一緒する民族楽器の演奏家「田中一夫」さんが、今回わたしの朗読のために
演奏してくれたもの(ありがとうございました!)をCDで流しながら、まずは「明日戦争がはじまる」と。
あとは「100m父」と東北震災の詩「きれいに食べている」と最近発売された話題の詩の本『未明01』(外間隆史・デザイン/編集)に掲載している
「もう一度の君」を読みました。
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*3.11以後、わたしは3.14を持ち歩いています。そしてときどき行商人が唐草模様の風呂敷包を解いて歯ブラシなどの品物を見せるように笑、トークの場で。円周率(π)3.14…の小数点を切り捨てるとはどういうことかを図にしたものと。切り捨てられるπの3以下の数字をえんえんとプリントしたものを、みなさんにお見せしたりします。その割り切れずにえんえんとつづく数字こそが円の「弧(輪・和へ)の姿」であり。今回憲法改正案で(*第13条の表記が「個人」から「人」に変わる)切り捨てられようとしている個人の「個(ひとり)の姿」でありはしないか。そして、わたしたちの詩の声もまたそれぞれの、大切にしたいかけがえのない個の声ではないだろうか……。そんなお話をさせて頂きます。

3.11も3.14もわたしの中では同じく人が切り捨ててはいけない
小数点(命・個)を孕んだ存在として捉えています。
(*「明日戦争がはじまる」オンデマンド版あとがきでも触れています。)
朗読を交えながらそんなこんなのお話もさせていただきました。。

☆番場さんがご自分のブログ陸繋砂州(トンボロ)通信
にて今回のイベントのことを書いてくださっています。
どうぞ、こちらもご覧くださいませ。↓
わたしのことにも、深く優しい眼差しで、触れてくださっていて、
わたしなんかにはもったいないほどの
おことばもいただき
かたじけなくて涙がこぼれました。。
ありがとうございました。

*10分ほど休憩がはいります*

☆第2部は「pw連詩組」のみなさんとのトークと朗読タイムです。
ちょうど第2部で連詩組の参加者をご紹介しているところが
北海道新聞に載りました。
*みなさんがそれぞれ連詩組に関わった時期やきっかけに
ついてお話しくださいました。
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*最初は「かとうたか」さんの朗読です。
もともと、北のはじっこにいる「たかさんに会いに行こう連詩組企画」
でもありました。^^
そして、重要文化財となっているこの素敵な建物・豊平館を
選んだくれたのもたかさんです。ありがとうございました!
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当日の朝、刷り上がったばかりという。連詩組のみなさんは、前回のポエケットで大人気だったCDジャケットサイズのでました!「科学の仔」の特別増刊号!より。
 
  翼の退化した鳥がいるように
  鳥を失った翼がある そして
  ぼくらは翼が飛び立ったあとの鳥だ

  「さよなら」 そのひとつの言葉に
  生きたすべての時間が含まれている
  「もし言葉が器なら
     さよならはいちばん大きな器だね」
(かとうたか/「a felicidade (okinawa jazz beat #9」

「a felicidade (okinawa jazz beat #9」「404 Not Found」「Telephone booth Rhapsody」3編を人工音声をカセットテープ(劣化する音声ということでココにa0082132_19345157.jpgもこだわりが!)から流しつつの。どれも、耳に心に残りました。よかった!* しばらくまとまった彼の詩を読んでなかったけれど、大丈夫。「かとうたか」ここにあり!を目に姿、耳に声、胸に言葉、しっかり刻んでくれました。うれしかった、翌日はたくさん詩の話もできました。*新聞に記事が載った日が、なんとお誕生日だったという、おめでとうのサプライズもありました。**『科学の仔』7月のポエケットでも販売しますよ!200円・早い者勝ち♪めっちゃいいです!ホテルで何度読み返したことか、、書いてる書いてる、たかさん素敵。うれしい!と。^^


*つぎは連詩組のまー姉こと「西原真奈美」さん。
pw夏組より連詩組に参加。
「詩と思想」の新鋭詩人に選ばれました。詩と思想4月号にエッセイと素晴らしい詩「ピエタ」が掲載されています。
わたしも西原さんの詩とひとについて、「シャンパングラスで祝杯を!」書かせてもらいました。
この朗読会に合わせて手作り詩集『まなうら』を制作。
ページを開けると誌面や紙にさまざまな工夫がしてあり
美しいので2冊ほしい!との声もあがりました。
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朗読詩は『まなうら』から「約束」「横浜 外人墓地」「まなうら」「ピエタ」と、番場さんの星座のお話につながるような峯澤典子さんの「流星」を。切切と深い思いを読み上げ、会場は水を打ったようになって聞き惚れていました。ピエタに合わせた深紅のドレスもとてもお似合いでした。
ツイッター連詩で使ったフレーズを、編み込んでまた新たな詩を作り上げる彼女の方法は、連詩をやるものにとってもよいヒントになるでしょう。ツイッター連詩は、その未完な姿こそが新たな詩への呼び水であり、次へのワンステップになることを教わります。*手作り詩集「まなうら」はネットでもたくさんの注文があったようです。こちらもポエケットで販売しますよ!お楽しみに。
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左腕の内側 引いた右手
(押すのは肉 引くのは魚 刃物の使い方)
ーー西原真奈美「ピエタ」より

絶唱「ピエタ」では、きれいな泡をたちあげるシャンパングラスの底の
疵を泡にせずていねいにていねいに抱き上げて
現れたはじめての姿…まさに
ピエタ像が幻視される秀作です。
切り詰められたことばの
切り詰めざるを得なかったわけを
清らかな姿で分かち与えてもらったようで胸が震えました。
その傷が名前の刺繍糸で赤く
美しく綴じられるさまは
書くという行為の、ひとつの恩寵を垣間見るようでした。
胸底の書かざるを得ないものから逃げないで、抱き上げるように詩を書き上げた彼女の勇気に敬服します。
*『まなうら』はほんとうに丁寧に作られた、手作りならではのきれいでよい詩集です。是非!


*3番目は今回の最年少・トミーの朗読タイム
何を読むの?と朝聞いたらケロッとした顔で「決めてないの」とのこと。
ポエトリー・スラムにも出場されているので、どんなパフォーマンスのリーディングを見せてくれるかなと思っていたら。しっとりとして甘やかで耳心地のよい詩の朗読「無題」を2つと
会場からお題を頂いての即興をひとつ。
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なんと。お題をくれたのが前に座っていた彼女のお母さん。お題は「キタラ」。札幌にあるコンサートホールの名前でよく二人で行ったそうです(また、二次会のレストランの名前もキタラ)。この即興がまたよくて、お母さんがハンカチを押さえるシーンが…心に残りました。「きたら」には「(帰って)来たら?」のお母さんの口癖でもあったと、あとからトミーに聞いてまたジーンと。今回の母親を前にしての彼女の朗読シーンは、愛情を通わせあう母娘の相聞歌ライブともなっており。居合わせたみんなの心を温めてくれました。そして、言葉が対象者をしっかりとフォーカスしたとき、詩はこれほども生き生きと輝くものだということも思い知りました。トミーは今回の朗読会に即興の演出で、心温まるよいシーンを飾ってくれました。
*北海道新聞には彼女の即興のことも触れられていました。親孝行になったかも。^^
わたしも最近は即興詩の演者に、惹かれています。



*連詩組アンカーは大原鮎美さん。音源には津軽三味線の演奏を。
これが、大橋さんの独断場「港亭自由律」の朗詠に憎いほどぴったり合っていました。
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一句を2回ずつ朗読するのですが、一度目で誘って二度目でトドメを刺す感じの魅力的で堂々とした朗誦に。会場はすっかり引き込まれてしまいました。やたら札幌で人気度をあげて「大原鮎美の札幌ブレイク」とまで仲間内で呼ばれた大原氏には、☆スペシャル・サプライズもありました!今回、北の仲間たちへのお声掛けで大変お世話になった、長屋のり子さんがパーソナリティをつとめる札幌FMラジオの番組で、翌日・彼の俳句をたくさんご紹介くださったそうです。会場には電車を間違えてすべりこみで朗読に間に合うというハラハラもありましたが。それもこれも良いお土産話となりました。

☆☆
*第3部は
北の仲間たちです。
トップバッターは今回、会場との連絡や当日の設営などの裏方仕事、力仕事を全面的に支えてくださった
柴田望さん。パリッとしたリクルートスーツにタブレット一枚もっての登場。
読む詩も流れる音楽も一枚のタブレット端末に全て内臓されていて、何か朗読シーンもどんどん未来になっていくなあと、まずはそのクールな朗読スタイルに感心しました。
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朗読してくださった自作の詩は
「約束・天秤・変形譚・文学・窓枠の岸辺・花団地」唯物的叙情詩と言えばいいか。。物の側に足場を取りながらそこに現れる不都合・不条理を叙情へと変換していくような、独特な詩の姿に。所属しておられるという研究会(東鷹栖安部公房の会)の安部公房的な世界が垣間見えるようでした。それプラス柴田さんの人間味がにじみ出る・誠実な男の詩…という感じでしょうか。淡々としつつも静かに確実に一語一語打ち込んでいくよい朗読でした。
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*最後に読まれた安部公房の「祈り」という詩が、彼の存在がすべてそこに収束していくようで
まさに彼自身の美しい祈りの姿として、たいへん心に残りました。
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そして、安吾にこんな素晴らしい詩があったことに驚きました。。


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*左は旭川在住の柴田さんが所属している旭川の詩誌「青芽」です。

豊平館のある中島公園にある「北海道文学館」ではちょうど創立50周年記念特別展ということで「ふみくら(文庫)の奥をのぞけば 文学館・珠玉の300選」として安部公房のハガキなども展示されていたようです。最後の日に観て行こうたずねたら、残念休館日でした。
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特殊性のなかにほうがんされない普遍性はない。同時に、普遍性につらぬかれない特殊はない。
眞実はその統一の発見にあると思う。
            ――坂口安吾
たちあがったばかりの「札幌文学会」にあてた坂口安吾のハガキのことば。素晴らしいです!
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さて。いよいよラストにご紹介したい方。今回たいへんお世話になった長屋のり子さん。長屋さんのご尽力ご人脈のおかげで、たくさんの著名な北の詩人の方々が綺羅星のように勢ぞろいくださいました。
ご尽力
こころより感謝です。ありがとうございました。

☆時間も押し詰まってまいりまして最後は、パワフルな長屋さんにマイクをお渡しして、朗読してくださるお仲間のご紹介をいただきながら、北のベテラン詩人のみなさまの朗読を次々と聞かせていただきました。

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☆☆
ベテラン中のベテランとご紹介いただいた
渡会やよひさんは、昔描かれた作品とのことで
「鴨」を静かでしっとりと安定感のある朗読を、聞かせてくださり
北のベテラン詩人の風格を見せてくださいました。
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 砂 とら
 虎 すな
晩秋の汗をたらすケヤキではなく
薄目をあける小暗い小屋ではなく
砂の無数の微小な眼窩から
あの果てしなく極まる二つの眼に
金色にかがようさみしい尾に
つながることができるだろうか
(度会やよひ/詩集『途上』より)

*札幌市
詩誌『蒐』発行
詩集『途上』「洗う理由』(北海道詩人協会賞)など。

☆☆☆
二番手は詩のボクシングでもご活躍なさったとの
村田譲さんはパフォーマンスを交えての迫力の朗読でした。
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*室蘭市生まれ
詩誌「饗宴」所属
詩集「月の扉 大地の泉」「空への軌跡」『円環、あるいは12日の約束のために』など。


☆☆
次は瀬戸正昭さんの朗読。
ゆっくり眠ってください…と言いながら
お詩集「宿世」から人肌の温もりが伝わってくる味わい深い朗読を
じっくり届けてくださいました。
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*岩見沢市生まれ
詩誌「響宴」主宰
詩集『夜の歌』『花の国』『宿世』など。
林檎屋主人のブログ
北海道文学館理事
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グミの実

短い夏が去つて
あしばやに秋は
やつてくる
グミの実は
弾のあとのように
こどもの胸で
朱くつぶれた

(瀬戸正昭詩集『宿世』)


☆☆☆
次は嘉藤師穂子さん
嘉藤さんは劇団山猫座で朗読ライブをつづけてこられたそうです。

今回はご自分の詩ではなく、甚く胸を打たれた作品なので、この機会に是非みなさんにご紹介したいと
発行されたばかりの『痛みのペンリウク 囚われの人骨』(土橋芳美著)というコタンの首長であった
ペンリウクについての「アイヌ墳墓盗掘と遺骨返還の問題」の長編叙情詩を一部朗読されました。
現地の実際の声として届けられた
今の時代にそのような悲しい歴史がまだ尾を引いている現実に、胸が痛みました。

また。急遽嘉藤さんの、ご自身の詩ではなく、伝えるものがこれだ!
と思う時。
こうして自作を差し置いても、
伝えるべきものを選べる魂の自由さにも、深く教えられるものがありました。
*会場にはペンリウクとつながりのある著者の土橋さんも朗読を聴きにご来場いただきました。
ありがとうございました!
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わたしもさっそくご著書を買わせていただきました。とてもよい時に朗読が聞けご本にも出会えて忘れられない記念となりました。朗読会を大変貴重で、豊かなものにしてくださって土橋さんにも嘉藤さんにも感謝です。
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土橋さんから嘉藤さんへと届けられたペンリウクの声をみんなで聞き入りました。
*空知郡上砂川町出身
*詩誌「饗宴」同人・「小樽詩話会」会員・北海道詩人協会会員。

☆☆☆
つぎは森れいさん。
朗読くださった作品は愛しきものへ 黒猫
のびやかな言葉の汎がりが神話のせかいへと心を解き放ってくれるような
たっぷりとして大らかな朗読が魅力でした。
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*詩誌「核」「地球」を経て「ZERO」・日本現代詩人会会員
1984年全道朗唱祭開催より朗読を始める。

*二次会では、よく札幌に訪れた吉原幸子さんとも懇意にされていたそうで
吉原さんとの思い出話しもたくさん聞かせてくださいました。
「立ち消えになったけど、ラ・メールの札幌支部ができる話もあったのよ」
と驚く話がつぎつぎと…あたたかいお心遣いもうれしかったです。

次は木田澄子さん。
端正な美しい詩は誌面で拝読していたので、朗読をお聞きするのが
楽しみでした。
朗読作品は「もりあめ」
物の理(ことわり)を独特の詩語で展開される平易ではない現代詩的その詩影を目で捉えても
多勢のライブ会場で果たして耳でも捉えられるだろうか…
の思いもありましたが杞憂でした。
ひと筋、ひと筋、繊い雨が魂に刺さるような非常に繊細で勁い朗読に
時が止まって
耳にも胸にも余すところなく言霊がふりそそぐような
緊張感と心地よさのなかで。
ことばの雨を一語一語聞き零すまいと
息を飲むようにして、全身でことばを浴びていました。

とても魅力的な朗読でした。
*意味ではない確かさだ、確かな言葉は必ず届く、そんな思いを味わいました。
その佇まいもファッションも凛とした一輪の花の風情がありました。
*函館在住
*小樽詩話会 会員 函館[游人]同人
詩集[くらいんの水管]

☆☆☆
つぎは飛び入りご参加くださった
福士文浩さん。
第一部でわたしが話させて頂いた円周率の話しを、聞いてくださって
即興で作ったという「π(パイ)」という詩を
呼応するようにすらすらと朗読してくださいました。
拙い話しをその場で受け取ってもらって、詩に返してもらえるなんて
ライブ会場ならではのできごと。
あまり味わえない経験なので、うれしかったです。ありがとうございました!
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福士さんは
光冨郁埜氏発行のアバンギャルドな詩誌『狼 オオカミ 30』
にも
青白い光が満ちる夜
影の中に沈むように広がる草原
わたしはひとりでそこに立ち
円形の鏡が舞い上がるのを見ていた

ではじまる長編詩
「満月の戦士」を掲載されています。
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同誌には今回、北の仲間たちをリーダーとなって参加のお声かけや
こまやかにお心配りいただきご尽力くださった
スーパーパワフル
レディの長屋のり子さんの詩「水辺のはは」も掲載されています。

夕刻に 義母が逝った

諏訪湖の岸辺を洗う波の響きに似た音を
こぼりと 一息 吐いて命を終えた。
早朝の朝顔の花のような清々しい虹が
天龍川の 渦巻く河口水門の上に 淡い息遣いで架かっていた。


☆☆☆
さていよいよ朗読会も最後のトリを飾ってくださるのが
長屋のり子さん
この方なくして北の仲間たちとの贅沢な交流はありえませんでした。
よく通るソプラノボイスで
朗読くださった作品は「あなたと何処かへ」全14章のなかから
第2章を。
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雲雀が一羽舞い降りたような
よく響き明るく朗らかな朗読でした。
*この春からは札幌のFMラジオ放送でパーソナリティを勤められております。
(*大原鮎美さんがその番組でご紹介いただきました!)

*長屋さんはかの山尾三省の妹さんでもあります。
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 黄金の釘ひとつ、川に打つ。小室等(ミュージシャン)が聖橋という美しい石橋から神田川に投げ入れたレモン。きらめいて垂直に落下した。一瞬の 川の上気。

 眠れない夜には、こういう風に…と母が死体睡眠法という生者には少し野蛮なやり方を教えてくれる。まず一直線に寂しい死体になるの。そんなにいきなり?と私が聞くと、そういきなり、と母が並外れた優しさで云う。次には、ヴァイオリンでもいいチェロでもいい、弦楽器の黒いケースの中に入るの。そして蓋を閉めるのだわ。

長屋のり子「あなたとどこかへ。」部分。
所属詩誌『游人』より

レモンが金色の釘になる、なんてビジュアルなのだろう。一瞬上気する川、なんてエロティックなのだろう。
眠れない夜は死体睡眠法に、チェロのケースを蓋つきベッドにする。
なんて楽しい発想だろう。まるでやんちゃな西脇順三郎の乙女版に
であったみたいに、どこまでもどこまでも、長屋さんの詩は
シュールでたのしい。
長屋さんの詩ごころの朗らかさに魂が救われるようでした。
たくさんの方にご登場いただいて、朗読時間が短くなった方もいて
申し訳なかったです。でも、ご参加いただいて
こころより感謝です。

連詩組のみなさん、北のなかまのみなさん、
そして親切にしていただいた豊平館の係りのかたがた
みなさんのお手伝いやご協力のおかげで
ほんとに素晴らしい会になりました。

ありがとうございました!
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★★★
最後に会場に設置したホワイトボードで
参加者や会場のみなさんの一行連詩を
つくりました。ご笑覧くださいませ。
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π(パイ)の雨

*pw連詩組と北の仲間たち/即興一行連詩

はじめましての北の地でごっこ汁を頂きました

火を熾す水を熾す深海魚を熾す鍋の熱(ほだ)り

ごっこっ目玉からあふれるみそ汁の涙

大雨に倒れし木々を懐に脂ぎった川ピイエの岸辺

朝の光 真っ青 首の骨、足、手…のばしガバッと起きる

芽吹き さざら さざ らら かなしきはるの雨よ

ぼうぼう燃える 書物 科学・物理・倫理 焼け陥て楔形文字を骨のように拾う

ろうそくを持って廊下をゆっくりあるいてゆく

こぼさぬよう響きをとどめている

CDよりカセットテープで聴くビートルズが好きです

だからこの横断歩道でこぼした色をカメラでひろい

おっ π/聴くパイプオルガン

バカヤロウからありがとうへ

大地のなかから、雨ふりしきる…

雨は過去(降り落ちた場所)から降ってくる

雨の庭で青い鳩 白い鳩が待っていました 
   
*平成二十九年四月二十二日 豊平館にて。

*ゴッコ汁は、主に北海道で収獲される魚、ゴッコ(ホテイウオ)を使用した郷土料理。

*最初と最後の行を私と番場さんが担当しあとをみなさんに
埋めて頂きました。タイトルは福士さんの即興詩のお題を頂き私がつけました♪


おしまい
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たのしかった。
みなさんに、感謝です。
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pw連詩組さいこう!
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あざっす!










組長拝
m(_ _)m





























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豊平館のある中島公園にたくさん落ちていた葉っぱ(アカナラ)
いただきものの
「事任(ことのまま)八幡宮」
言の葉守り
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鳩と葉っぱ
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言葉の輪(和)
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著者近影(笑)


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by sechanco | 2017-05-03 23:47
札幌・豊平館にてトークと朗読会... >>