せんじつ。桃井かおりとめぐちゃんに会った。桃井かおりは『無花果の顔』という映画の監督として挨拶とトークショーのため、近場の劇場に現れたからだ。なかなか格好良くて、sweetな人だった。話が面白かった。『生きている今』を撮った映画だとのこと。「生きてるほうが勝ち」「長生きしたい」。そして、長生きして「着物を着くずすというけれど、わたしは、生きくずしたい」と言っていたのが彼女らしくて、印象に残った。相変わらず粋だねえ。
彼女が『生き崩す』というとき。なんだか夏の、蜜のいっぱいかかった『かき氷』を思い出した。それもかき氷の後半部分である、それを。だいぶ欠けてきた氷の山を、スプーンでサクサク突き崩すして、あとは甘いばっかりのイチゴやレモン色のぐしゅぐしゅを舌に載せるときの。おいしい雪解けのような、至福のそれを。
シャイでデリケートな人に限って、露悪的になったりすると思うけど。それは傍目には痛い。その痛さを保ち続けている人だ。映画はカラフルだったが……。その映画館で『せっちゃん!』と呼ぶのが友達の娘さんのめぐちゃんだった。眼の前にキャンディが一本立っているような風情だ。おやつが出たかと思ったわw。青空色の眼鏡フレームがお似合いのセブンティーンである。
モノを言うのはやさしいが、モノに言わせるのは難しいね。ナカナカ。