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晴れときどき 宮尾節子


宮尾のブログ talk to who?               
by sechanco
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ありがとう

ありがとう_a0082132_12215741.jpg
まほさんの詩集『ありがとう』の表紙ができあがった。岸本眞弓さんのとても素敵な装丁です。この表紙を胸に抱きながら、まほさんの詩集の末尾に載せさせて頂く、紹介文もやっと書きあがった。わたしは文章は苦手だ。詩が方言に近いものなら、文章はそれを標準語に直してしゃべるようなもの。田舎者(笑)にはひと苦労だ。とくに人様のものとなると、さらに緊張はいや増す――という訳で、苦手ながらもまほさんの良さをわかっていただくべく、紹介させて頂いた(以下・掲載)。皆様に思いが届くといいな。そして、この詩集がたくさん売れると嬉しいな。――だってここだけの話(笑)、わたしの詩よりずっといい!ずっと人生のためになるもの。――ずっとそばに置いておきたい、元気のもらえる詩集です。プレゼントにもぴったりの表紙…^^。

★タイトル文字は「まほさんの手書き文字」です。まほさんご協力ありがとう。

☆まほさんって、どんな人?あのね。昔、みつはしちかこという漫画家のマンガに『チッチとサリー』という可愛いラブストーリーがありました。ノッポでイケメンのサリーと、彼が好きで好きでたまらない、お茶目でお人好しでおチビの女の子のチッチ。今で言えば、「のだめ」みたいなタイプかなあ。その、チッチにそっくりな感じです。――まほさんの言葉のお人柄は。あいさずにはいられなくなる・・・ひ・と。

★予約注文もお薦めです。ご希望の方はポエトリージャパンブックスcall@poetry.ne.jpまで是非ご連絡ください。¥1200+税(B6版サイズ 128×182mm)、五月末頃には本になっている予定(あくまで予定ですが…)です。
☆Amazonでも買えるようになりますが、なるべく★ポエトリージャパン>でご購入ください。詩一本の、社長が喜びます(笑)。


☆愛がいっぱいある

                   宮尾節子

 私でよかった(ありがとう)
 両親でなくて(ありがとう)
 姉妹でなくて(ありがとう)
 家族じゃなくて(ありがとう)
 私でよかった(ありがとう)


 これは、選ばれたのが自分でよかったと喜んでいる
まほさんの『選ばれて』という詩の一部である──。 
 たまたま飛び込んだインターネットのある詩のラン
キングサイトで、ダントツで一位を突っ走る女性の詩
が目にとまった。何の気どりもかざりもない。ふだん
のままのやさしい言葉で友達にしゃべるように書かれ
ていて、今時の若い女の子(「まほ」という名前しかり)
のポエムかなあと思って読み流していたのが、このフ
レーズに出合ったとたん、ぎゅっと胸をつかまれる思
いがした。この人はタダ者ではないな、と感じた。 
 何にありがとうと、言っているのか。病気をして不
自由なからだになったのが、自分でよかった、ありが
とうと感謝している詩だった。「なんでわたしが」を
覆す大きな愛がそこに見えていた──。

 まほさんの言葉は、悩み苦しむ人々への熱いエール
に満ちている。しかし、それらは誰かの受け売りや易い
借り物の言葉ではない。ぜんぶ、彼女自身が「でも
でも/これができると/生きやすくなるんです/わ
たしはわたしの心で/試してみました」
と心と体張って、
命をかけて我が身で試した言葉ばかりだ。彼女が生き抜く
ために──彼女が自身の絶望を乗り越えるために。

 ある日。元気で働き者の彼女を、突然おそった難病。
そして目が覚めると「ひとさし指がいっぽん」わずかに
動くだけの体になっていたという現実。
 その過酷な事実を受け入れ、重い後遺症からの恢復の
ために、指一本でものを書くところから、彼女のリハビ
リと言葉の冒険(あえてそう言おう)は始まっている。

 ゼロからの出発
 もうこれ以上うしなうものは
 なにもない

 これからは ひとつずつ
 できることをふやしていく
 たのしみがある 
            ──『ゼロからの出発』


 このようにまほさんは、目の前の絶望をつぎつぎと
希望に変えていく。体の動かない彼女は、その希望へ
の魔法の杖として──言葉を見出したのだ。
 言葉しか掴まるものがない場所で、掴まれた言葉が
信頼に応えている。人と言葉の幸福な姿がここにある。
 人は言葉に頼って立ちあがり、歩むことができる。
言葉が言葉のままでむなしく終わらない、言葉と体が
一体となって一人の人間を歩み出させる実践が、この
可愛らしい言葉たちのなかで果たされている。これは、
体を取り戻そうとするまほさんのリハビリであり、ま
た体から離れた言葉のリハビリでもあると、詩書きの
私の眼には、映った。言葉のしあわせと人のしあわせ
を、私はまほさんの生きる姿勢に見出し、嬉しかった。
 明日の見えない時も、彼女の言葉はひるまない──

 だけどだけど
 今日という日がある
 (中 略)
 手に入れたくても
 できなかった人はいっぱいいる
             ──『あたりまえの幸せ』


 明日を求める皆の足元に「今日の幸せ」を発見する。
まほさんのお手柄は、今日を幸せにしたことかも──。

 夜を終えると、草の葉にはきらきらと宝石のように
朝露がきらめいている。たくさん泣いた後の心と体か
らあふれ出たまほさんの言葉には、愛がいっぱいきら
めいている。読んだ後、まほさんの愛で胸がいっぱい
になる。この詩集にはまほさんの、愛がいっぱいある。
いま、世界に足りない愛がここに、きらめいている。
 
私にとっての しあわせって
(略)
人生の中で
どれだけ ありがたさに気付き
感謝できるかということに
比例する 
            ──『しあわせのものさし』


 冒頭の詩の「ありがとう」の言葉がなかったら──
この詩集はきっと、できあがっていなかっただろう。
そう思うと「『ありがとう』は/やっぱり まほうの
言葉だった」
ね、まほさん!

 最後に、まほさんに惚れ込んだわたしの思いを、形
にしてくださったポエトリージャパン代表・曽根亘元
氏、並びにみゆきさん、岸本眞弓さんにこころよりの
感謝をこめて──ありがとうございました。





まほさんの詩を詩集にしたい・・・と思いたってから三年以上が経ってしまった。いろいろな経緯をへて今に到った。正直、乗り越えなければならない波も何度か訪れた・・・そして、それらを乗り越えるたびに、わたしの執拗な熱意に対して「それほどまでに、なぜ、まほさんを」という驚きの声が、あちらやこちらから(まほさんご本人からも…)あがることもあった。「いま、必要な思いや言葉は、まほさんのこれだと思う」――と言いつのった言葉に嘘はないが・・・・・・。

やっと、ここまで辿りつけて――。今、はじめて話す、もうひとつの理由が、実はある。ただ、上手に話せる自信がじつは、ない。何だか・・・私事に引き寄せる躊躇が、今まで自分に口封じをしてきたのだ。だから、言わずもがなのことかも知れません・・・が。それをお断りしつつ、ここまで、まほさんに入れ込んだもう一つの、理由を聞いてください。

わたしの、『妖精戦争』という詩集の中に「桜の木」という詩があります。

桜の木


この部屋に居ることが
生き延びることだと思ったのです

窓からはひとりの少女が見えました

許せないと思ったことはひとつです あのひとが
母や姉や妹をここに連れてくると言っておどしたことです
それだけは許せない
母や姉や妹がわたしと同じ目に合うことだけは
ぜったいに許せないと思いました
こんな目に合うのが
わたしだけで
よかったと
思いました
桜の木は思いました
わたしひとりで
よかった

        (後略)


この詩は、以前起きた新潟の少女監禁事件をモチーフにして書いたものです。九年二ヵ月の監禁の後、無事開放された少女は、ある日こう取材記者に答えたと新聞に載っていたのです。「(母や姉やでなく…)わたしひとりで、よかった」と。その彼女の言葉からこの詩は生まれました。

そして、生きるのが困難な事態に「よかった」というひとつの肯定を見つけることが、人を生かす力に変わっていくことを、発見する思いがありました。それから、いつも窓から見ていたという一本の桜の木は、監禁され身動きのできない彼女の、美しい化身であったような錯覚もおきました。ともに動けない身を持つもの同士としてお互いに支え合っていたのではと――。

どんな状況に陥っても穢れなき存在は穢れなきまま護られる――との思いを添えて、本当はこの詩を、あの少女におくりたかったのですが、力が足りませんでした。

だから、まほさんの『選ばれて』という詩の「私でよかった(ありがとう)」のフレーズに出合ったときは、再びあの少女に巡り合えた、思いもあったのです。あの桜の木の少女に――。

なんとしても、守りたい。この少女の言葉を生かしたい・・・その、思いがずっとこころの底にあったのでしょう。。。
まほさんとのやりとりは、あの少女との果たせぬやりとりのようで、うれしかったです。

そして、「わたしで、よかった」の他者をも自分をも救う、清らかな想いの言葉は、
このお二人の清らかな心に共通するものだと、わたしは詩人生命を賭けて信じます。

これらのことばに、これらの困難を乗り越えたひとびとの
つよく美しいことばに出会えてよかった。
しあわせです。

*三年越しの仕事を終えつつあり、高揚しています。大変長いものになりました。最後まで読んでいただき感謝です。ありがとうございました。

by sechanco | 2009-05-06 10:11 | ミヤオ・リターンズ
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