晴れときどき 宮尾節子


宮尾のブログ talk to who?               
by sechanco
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光りのきた日

いや。この前、ふれっつ光の接続係のきれいなお姉さんが来た時の事。爪先にきれいな黄緑色のネイルアートをしていたあたりから。なにかこころがそぞろ?となったのか。

きれいなおねえさんが、いきなり、わたしのおうちの、それも「ここ」のわたしのとっときのばしょに、ずかずかとあがりこんでいらして。いつもこうして、いとしのことば
となかようくらしているこの、あたしのだいじな***を、いらいまくる(山口弁か)

親密な場所を、見知らぬ人が、蹂躙していく。でも、私の快適な暮らしを目指して、派遣されてきた人なのだ。彼女に罪はない。おちつこう。

うちに風俗がやってきた。そういう感想をもった。思わず「紅茶にしますか、珈琲にしますか」「わたしはそばにいたほうがいいですか、それともいないほうが」などと「どうぞ、おかまいなく」といわれても、構わずにはいられない、空間にあなたがきているのよ。おじょうさん。

いやちがうか。うちという、風俗的空間に(?)、ふれっつ光嬢がオフィス感覚でOLとしてやってきたのだが、夕方頃になると花粉症の薬も切れてきたのでしょう…とかで、ずいぶんグシュグシュして、マックいいですね〜とか、それやるとあたしがクビになっちゃうんですよ〜とか、本部(?)へ電話してから「わかってない…」とかボソッともらしたり、最初すましていたのにだんだん体も言葉もくずれてきてナマなひとにかわってきて、可愛かった。

ところで、風俗とは、最も親密な空間にまったく見知らぬ人をうけいれるという、とても冒険的な場所であるような気がする。

見なれた場所に見なれぬ人がやってくる。この違和感をとりこもうとする部分、とりこまれまいとする部分に、青草が荒らされたような、官能が匂い立つ。

こうして、ひかりはやってきたのだ。

*前振りがながくて、いちばん、いいたいことを忘れてしまったが。
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by sechanco | 2008-04-30 08:26 | ミヤオ・リターンズ

ただの ひと

「Just a human!」とダライラマ14世はにこやかに自分の胸にゆびをつき立てた。
中国の一部のひとが思っているような、「悪魔ではない」ということを伝えるために。「ただのひとだよ」といった。それはそのまま「神ではない宣言」でもあった。ひどく胸を突かれた。

「わたしは神だ」といって、ひとを救おうとしたものはたくさん存在するとおもう。でも、ひとびとが神の化身だと信じる存在が、「ただのひとだよ」といって、ひとびとを救おうとした例をわたしはじめて目にした。テレビに釘付けになった。

(逆に。今、神が目の前に降りて来たような、妙な錯覚に動揺すらした。
 ——おおげさに言えばそれは、『受肉』の目撃だった。)

神ではない。ひとはひとがすくうのだ。崖っぷちに立って、かれがそれを教えた。覚醒の声だとおもう。彼の放てる北限の声だと信じる。人の側からも、言葉の側からも、もしいるとしたならば、神の側からも。「I am just a human.」それは信じるにたる、
愛の声だった。

じぶんを指して「ただのひとだ」これ以上の「目を覚ませ」はないとおもう。

そして、それ以上の悲鳴も——。
a0082132_932064.jpg

*政治にも宗教にもかかわりなく、表現に関わる者として、かれの表現の
 核の確かさに、まっすぐ打たれた。もしも彼がペテン師であるならば、
 わたしの正気は彼のこの表現を越えられない。ここがわたしの北限だ。
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by sechanco | 2008-04-28 09:37 | ミヤオ・リターンズ

誰だか わかる

ゆうべ電話が鳴った。a0082132_20134144.jpg
「せっちゃん」「はい」「だれかわかる?」(ききおぼえのあるイントネーションと声だ。すでにからだが思い出しているものに頭が遅れている)「ひろし?」「ひろしってだれや。ちがうよ」「あ!」「おもいだしたか?」「mちゃん!!」「そーや。なつかしいやろ」「うん。なつかしい」……ウン十年ぶりの、いとこの声である。でも、ふたりめで当てた。じぶんでもすごいなあと思う。見た目はきっとめちゃくちゃ変わっているだろうが。声はふしぎだ。昔のまんま。耳に届けられるその声だけで。あの白い歯をみせた笑顔までよみがえる。

「今ちょっと、高知に帰ってきてんねん。ほんでせっちゃんとこから、せっちゃんにかけてます。あはは」「あらまあ」「ほんまに、ちっとも顔みせへんさかいな。このこは、こら。」……だいすきなあの、「こら」もなつかしい。「たよりのないのが、元気な便りとも思てるけどな」「いっつも心の中にいるから、会いにいくの忘れてしまうのよ」「またうまいことゆーて。」……いっきに古いケーブルが繋がったみたいに話が とまらなくなって、受話器をおくのがなんだかつらかった。。また、次は何十年先に、なるのだろう。。。

実は、だいぶ前にいとこの詩を書いていた。いとこは知らない。ここでこっそり(?)それをアップしてやろうと思う。うっふっふ。きっと見ないだろう。ん。見たりして。まあ、時効ということで。かんべんしてね。mちゃん。死んだ母が大好きだったいとこである。そういうと「おばちゃんの、お墓もお参りしてきたで」と、相変わらず優しい。

More? ↓いとこ〈詩〉
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by sechanco | 2008-04-23 20:07 | ミヤオ・リターンズ

つる爺とうわみず桜茶

a0082132_21345564.jpg「つる爺」とみんなに呼ばれて親しまれている、蔓細工職人の爺さんがいる。蔓籠用のツルを採りに山に入るので、野草や山草にとてもくわしい。この「ウワミズザクラ茶」は去年そのつる爺に習ったもの。「まあ、飲んでみなって」と花のついた、大きな枝を抱えてきて、みんなに花を飲ませてくれた。ちょうど桜がおわったころ、この辺の山のあちこちで白い子犬のシッポのような花をわっとつけてる木があるな…と思っていたのがこれだった。「犬桜」なんて勝手によんでいたわ(笑)。

花房をいくつかカップやグラスに入れて熱湯を注ぐと。それは濃厚でどきっとするほど甘ったるい香りがたちのぼる。薄い黄緑いろに染まるお茶には、ほんのり甘みもある。たぶん花の蜜をのんでるかんじだろう。みためといい、かおりといい、ちょっとなまぐさい官能的な甘みといい、たくさん飲むとなんだか、山の気に酔っぱらってしまうようだ。あ、すこし栗の花にも似てるかもね。

それ以来。せっせとこの季節はこの花木をさがすのがたのしみになっている。3本ありかを見つけている。えへへへ。教えてあげないよ。その一本を川に入って(あらヒントね)今日とって来ました。さっそく花茶をいただきました。みなさんもどうぞ。ちょっと遠いかな?w手を伸ばして見てね^^。。(甘党にはお砂糖を入れてがオススメ♪)

ひだりの、きれいな色のティーカップは、お友達の亡くなったお母さまの形見分けに頂きました。とても気に入っています。デザインもいいでしょう?narumi boneの旧いの。お母さんありがとう。
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by sechanco | 2008-04-21 21:44 | ミヤオ・リターンズ

壁 桜

時には。そのへんの草の根っこや、ゴミなどを拾って来てはじゃぽんと墨に浸して、筆代わりにがしがし書いていく。体育会系(笑)…いや天然系か。「書道家・山田麻子」さんに月に一回書を習っている(はず…)が。なかなか行けなくて、先日半年ぶりに(すいません)出席して。「桜」を書いた。お手本がよかったのだが、ちょっと気に入っている。
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それで、思った。「あら、この手がある」と。桜がなくても、「桜」という字を書けばどこででも花見ができるなと。まあ。携帯灰皿みたいに便利だわ。なんというか、最後の最後まで、たのしめる方法をひとつ発見した思いです。うふふ。書は景色です。桜要らずの花見かな。ことばはたのし。「幸」とかも先に書いて置こうっと。しあわせになってもびくともしないように?「一等賞」「美人」とかもね(お笑)。窓ガラスには息を吹きかけゆびで「Paris」と…。はじめに字ありきよ。
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by sechanco | 2008-04-19 12:04 | ミヤオ・リターンズ

桜ビール

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月の初めの日曜日に、近所に骨董市が開かれる神社がある。骨董市だいすき。この前の日曜日は、そばで桜祭りもやっていて賑わっていた。お花見がてら、ひとりふらりと市をのぞいてみた。桜を見てる間に、すっかり遅くなって、市の人たちはぼつぼつ店仕舞いはじめていた。いろんな品々が手際良く新聞紙にくるまれていく手元に、さくらの花びらが散りかかっている。

そのなかで、まあ。舞い落ちた花びらがグラスにつぎつぎ染まりついたような、可憐なビールグラスを見つけた。あまりにも背景にぴったりで。「きれいねえ」と近寄ると、「いっこひゃくえんにしとくよ」「ふーーん」と見とれていると「ごこでよんひゃくえんで、どう」と、かってにねだんもひらひら落ちて行く。花びらのように(笑)。。。「ください」「あいよ、わらないようにもってかえってね」「はい」

よく見ると(*クリック♪)、模様の位置がみなちがう。手描き?(まさか)でも、なんだか得したみたいで?うれしかった。ずっとながめて楽しんでいる。これで、早くビールが飲みたい。できるなら、桜色の桜ビールを飲んで。喉から胸にぱあっと散らしてみたいわ。くらいこころもよろこぶはずよ。(^^
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by sechanco | 2008-04-12 17:41 | ミヤオ・リターンズ

あなたになら

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風邪をこじらせてしまって。寝たり起きたりをしている。その間に退屈なので本やレンタルビデオをよく見る。

『あなたになら言える秘密のこと』(イサベル・コイシェ監督と主演女優サラ・ポーリー)がとても印象に残った。観ていても、体力がなくなっているので、すぐ疲れて眠ってしまうのだが。映像や言葉がとりわけ優れていた。へんな言い方だが、やっと信頼できる人と出合えたような、とても安心感のある映画だと、とっぱなから感じた。わたしはそういう映画だと、なにも考えずに映像に身をまかす。眠りの位置について夢を見るように、画面をみる。タルコフスキーもそうだ。ときどきほんとに眠って(笑)、夢の像と映画の像が混ざり合う心地よく、ふしぎな空間の住人となっている。

事故のためしばらく盲目状態になっている、ティム・ロビンスのにじみ出るような演技が味わい深い。彼の演技、洗練された言葉のやりとりを、浜辺に座って静かな波の満ち引きを眺めるように、うっとり美しい画面に身を任せていると、物語はいつのまにか核心に着く。ぬきさしならない場所に。。それは、海底の得体の知れないどう猛な生き物に咬みつかれ逃れられなくなるような感じだ。

反戦映画…という旗印をあげなくても。このような静かな美しい映画でも、『二度と』という、hate war の杭は打ち込める。こころの奥底深くに。

戦争とはひとのこころの狂気の蓋を、凶器の蓋を取ることに他ならない。
この映画はそれをくっきりと刻印した。本来美しいはずのこころと体に。

ひとのこころとはだれにでもある、こころのことだ。

被害者しか作らないのが戦争だと思う。人間は一人しかいないのだ。
おのれの影におびえて斬り掛かり、ゆっくりとおのれを倒していく
人間の姿だとおもう。

打ち寄せる波の数だけを数え続ける男が出て来たりして、
彼は、25000回まで数えたと告げる。波とはなにか。数えるとはなにか。

あんがい、このさきこの映画で、覚えているのは、この「波男」だけかもし
れない。。。が。戦争がおきても、おきなくても、波だけは変わらず浜辺に
寄せては返しているように……。

サラ・ポーリーが冷ややかに美しい。*写真は庭先に出た可憐ないかり草。

「退屈につぶされる前に、退屈をつぶし返しに出かけるのよ」(映画より)
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by sechanco | 2008-04-05 07:27 | ミヤオ・リターンズ

生き崩す

せんじつ。桃井かおりとめぐちゃんに会った。桃井かおりは『無花果の顔』という映画の監督として挨拶とトークショーのため、近場の劇場に現れたからだ。なかなか格好良くて、sweetな人だった。話が面白かった。『生きている今』を撮った映画だとのこと。「生きてるほうが勝ち」「長生きしたい」。そして、長生きして「着物を着くずすというけれど、わたしは、生きくずしたい」と言っていたのが彼女らしくて、印象に残った。相変わらず粋だねえ。

彼女が『生き崩す』というとき。なんだか夏の、蜜のいっぱいかかった『かき氷』を思い出した。それもかき氷の後半部分である、それを。だいぶ欠けてきた氷の山を、スプーンでサクサク突き崩すして、あとは甘いばっかりのイチゴやレモン色のぐしゅぐしゅを舌に載せるときの。おいしい雪解けのような、至福のそれを。

シャイでデリケートな人に限って、露悪的になったりすると思うけど。それは傍目には痛い。その痛さを保ち続けている人だ。映画はカラフルだったが……。その映画館で『せっちゃん!』と呼ぶのが友達の娘さんのめぐちゃんだった。眼の前にキャンディが一本立っているような風情だ。おやつが出たかと思ったわw。青空色の眼鏡フレームがお似合いのセブンティーンである。

モノを言うのはやさしいが、モノに言わせるのは難しいね。ナカナカ。
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by sechanco | 2008-04-01 08:15 | ミヤオ・リターンズ