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晴れときどき 宮尾節子


宮尾のブログ talk to who?               
by sechanco
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南のひまわり 陸のゆり

南のひまわり 陸のゆり_a0082132_1214068.jpg
残暑お見舞い申し上げます。きびしい暑さが続いています。それでも、ゆうがたにはセミの声に「つくつくぼうし」が混ざるようになりました。どうぞ、みなさま、暑さに負けずに、あとひといきの、夏日を健やかにお過ごしくださいませ。

せんじつ、南三陸に出かけてきました。支援物資を届けるお手伝いに加わらせてもらいました。

前回の石巻のときは、山藤が咲いていたように思います。今回は、山肌にたくさんの白い山百合が咲いていました。ほんとうにたくさんの白ゆりが山肌に立ち並んで、たくさんのなくなった方々を弔うように、白い花をうつむきがちに咲かせていました。ふくよかでとても良い香りが、あたりにたちこめていました。


その時の写真を以下に、載せてみます。



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山の斜面には白い百合がいっぱい咲いていたのですが。車からはうまく写せませんでした。草の間に白く見えてるものが山百合です。
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崩れた山肌や日当たりのよい場所では、一本の茎でたくさんの花をつけるようです。そばを通りがかるだけでくらくらするほどの芳香包まれます。
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「全世界のみなさんありがとう」とあります。被災地のあちこちに、外に向かっての「ありがとう」と、内に向けての「がんばろう」という励ましの言葉と謝意の言葉の看板を見かけます。忘れない思いと、忘れないでの思いが手作りの看板に言葉を刻んでいます。
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細い鉄塔につかまって、数人だけが命をとりとめた、有名な防災対策庁舎が、夏草の向こうに見えています。被災地の傷ついた景色を、今は夏草がかばうように緑で包みこんで、痛みをやわらげようとしているようでした。
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山を這い上がった舟も、緑の草の海を漕いできたようです。
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耳のちぎれたミッフィーはどこから流されてきたのでしょうか。
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人の気配はないのですが、人の暮らしのあとが生々しく残っています。
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味噌・しょう油・油・缶詰・タオル・下着・洗剤・テント・お菓子・シャンプー・リンス・テレビ・冷蔵庫・整理ダンス・・・・日常の暮らしにための、ありとあらゆるものが、必要とされていました。家は残った集落でも、仕事はない、配給はない、お金はない、ないないづくしで困っておられます。
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コンビニの店長さんがお店のソフトクリームの器械を運び、アイスをクール便で運んで、ソフトクリームを作って炎天下の日、みんなに喜ばれていました。
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「わたしもやらせて」とトライしてみたのですが・・・む・むつかしい。「へったくそだなあ!」と現地のおじさんやみんなに大笑いされてしまった、わがアイス♪
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子どもの存在は、被災地のどの場所でも、みんなを和ませてくれる大きな宝でした。どれほど、おとなに笑顔をくれたことでしょう。
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とくに、テレビを欲しがっておられる方が多かったようです。こちらで地デジに変えたときに、有料で引き取ってもらったテレビが役に立つことがわかったときはあとの祭りでした。知っていればと悔しかったです。前のテレビをお持ちの方は、こちらに送ってあげられたらと思います。
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美容師さんたちがお店を休んで、参加されました。散髪隊は老若男女にひっぱりだこの大人気。「ああ、さっぱりした!」「男前になったよ」とみんなにこにこ。大活躍で、たいへん喜ばれていました。すぐに役に立つ、手に職を持っているかたがうらやましく思いました。
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夏の日差しのもとで、ヒオウギスイセンの赤があざやかでした。どこにいっても、花はほんとに、元気でした。
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ことばとのであいが、しんせんでした。盆栽を作っているおうちのおばあさんが「ちでぢ」(地デジ?)というのをやっと「つつじ」(木の名前)と聞き取るのに、4回も言わせてしまいました。ごめんなさい。
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わたしのアイホンがお役に立てた瞬間です(笑)。なんだかおばあさんが使いこなしてる(番号はわたしが押したのですが)とカッコいいでしょう。持っててよかった。
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ひとのことばやりくつより、植物の力に学びます。植物の姿に教わります。ひとのわすれたたくさんのことを。
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高速からも、高速を降りてからも、えんえんとつづく田園風景。東北は米どころだということを改めて思い知ります。稲はすくすくと伸び青々と美しい、夏の田んぼがどこまでも広がっていました。しかし。今どんな気持ちで、お百姓さんたちは・・・と思うと胸が痛みました。「どうなるか、わからんから」というときの、今まで笑っていたおじさんの目は急に翳りました。
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寸断された高速道路。ちぎれにちぎれた鉄道。消えてなくなった町。そんな中を、縫っていきました。
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地盤は沈下して、潮が満ちてくると、道に海水があふれていました。海との縁に大きな土嚢が並んでいます。
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南三陸の防災対策庁舎です。はるばると見上げるあの鉄塔の先まで、水が来たのかと思うと信じがたいおもいです。
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庁舎の玄関は、祭壇となり、千羽鶴が飾られ、線香台が置かれ、訪れて、お参りをする人が絶えませんでした。
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夕空をカモメが海のほうに飛んでいきました。


いろんな、おもいがうずまき、まだ、ことばに、なりません。。

by sechanco | 2011-08-13 12:34 | 日々
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