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晴れときどき 宮尾節子


宮尾のブログ talk to who?               
by sechanco
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ひとをそだてる しをそだてる

ひとをそだてる しをそだてる_a0082132_17393552.jpg
7月10日。大妻女子大・ライフデザイン学科・基礎ゼミナール「表現の仕方、詩という表現方法」の講義の講師を担当させて頂きました。

前回は120名の一年生全員を一度に前にして、だったのですが。今回は60名ずつ2コマに分かれてだったので、じっくりと向き合える感じがしました。

新入生の基礎ゼミナールなので…ということで。基礎的なことややさしい話(しかできないのですが・笑)をしました。「1.わたしと詩との出会い 2.詩とはなんだろう 3.詩がうまれるとき 4.詩が住んでいるところ 5.詩はなんのために 6.詩をつくってみよう」こんな順番で話をしました。

1.「わたしと詩との出会い」では、土佐というと海を思い浮かべるかもしれないけれど。実は高知県は、県の面積の84%が森林で覆われている森林率が全国でナンバーワン。日本一の森林県ですとわたしの郷里の話と。本になる元の木はたくさんあるけれど、本屋さんは一軒もない山の麓の小さな村落に生まれましたと。まずはわたしの山猿宣言(笑)をしました。

目の前にいつも山があったので、どうしても「山の向こうを」思うあこがれが、わたしの想像力を育てたかもしれないことや。本というものはなかったけれど、空の雲行きを読んだり、雨で草木の育つ姿を見たり、木に登って木の実を取ったり、蝉を捕まえたり。泳げるようになると水の匂いが変わる川のことなど──

鳥の声、虫の声、風の音、雨の音を聞き、空の色、葉っぱの色、雲の形を見て。そんなふうにして、どんな木にどんな実がなり、どんな草が食べられてどんな草が毒か。どこで魚が釣れて、その餌は何か、釣れた時の手応えは、どんなか。どの木の実は酸っぱく、どの木の実は甘いか。どんな場所は危なく、どんな場所は安全か──このように、言葉なき野蛮な世界で(笑)。本より先に、体で。五感の「ミル」「キク」「カグ」「アジワウ」「フレル」自然を、読むくせがまず身に付きました。「はじめに、言葉ありき」と聖書にはありますが。わたしにはまず、はじめに自然ありき、体ありきでした──そんな子どもの頃の遊びや昔話から始めました。

2.「詩とはなにか」では「わたしの見え方。わたしの言い方。わたしの並べ方で。つまりわたしのコトバで、世界を語るたのしみ。」ではないかと話しました。詩とは何か──をぴったり言い当てていると思えるわたしの大好きな詩、アンドレイ・ロシュディーの『庭に降る』の美しいフレーズ「風のコトバ、顔の秘密、夜の仮面、静寂の色を知るために、樹や友達の声、知性、手、影の先をもう一度知るために」「君は練習を必要ない。君がその唯一の先生だから」「さあ君は庭に降りる、君の庭に」「君のコトバは、星に開かれている」を例に引きながら。また、モンタージュ写真のように、言葉の並べ方で、どれほど変わるか。詩になるか、あるいは、詩でなくなるかも、いろいろ並べ替えて、みんなといっしょに考えてみました。
「詩とはなにか」「言えなさだ」というわたしの、いつもの話もしました。「言えない」と思ったら、「困った」と思わず「しめた」「詩人になれる」と思ってくださいと──。「言えなさ」については、前回と同様に「円周率」(3.14を3にすると)の話もしました。言葉とは(真の値に憧れつつ果たせない…)近似値のことではないかとわたしは思うと。近似値についても少し触れました。もっと飛んで、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の主人公の「かんだた」は実は「きんぢち」の一文字ずつをあげた言葉が犯人ではないか(!)・・・というわたしの妄想論はぐっとこらえました(笑)

3.「詩がうまれるとき」では。案外、見間違いや聞き間違いが、詩の発火点になったりすることなども話しました。どんどん空耳、空目をしてみましょうと(笑)。打てば響くというけれど、強く胸を打たれたときは、考えなくても、詩はいくらでも勝手に出て来ます。鳴るのですと。わたしの「詩人楽器論」を展開したりしました。考えなくても、鳴る。鳴ってしまう。しかし、この鳴ってしまう無意識の器。これが詩書きの、逆に不自由で、危険な罠にはまりやすい、怖いところでもあると…。

4.「詩の住んでいるところ」こころです、と答えました。「98%の水分と2%の塩分とミネラル」では頭にしか入らないものが「涙」という一語に変換した途端にすとんこころに入る。ある外国の小話を例にとりながら、頭と心のちがいを、感じてもらいました。
難解な現代詩については、たまたま見つけた視力回復用の医療本(?)の3D画像をテキストにして。じっくり向き合い、見るポイントを掴むと、あれよあれよと見えてくる(読めてくる)たのしみかたを伝えました。視力も詩力もこうやって、鍛えるとどんどん進化しますとか言って(笑)。3D画像のプリントを実際にみんなに見てもらいながら「あ、みえた!」「わあ、だんだん、みえてきたー」という声があがるのが、「あ、読めた!」「だんだん、詩が読めるようになってきたー」の歓声のようにうれしく聞いてました。

5.「詩はなんのために」こころのために、と答えました。こころは、ことばで成仏します。ことばで傷ついたこころは、ことばで癒すことができるはず。よしもとばななさんは、売れる前のころは、「自分を癒すために書いていた」と言っているし。谷川俊太郎さんは「科学が教えてくれることだけでは、自分は生きてゆけないと思っています」と書いている…そんな話を織り交ぜながら。「魂の救済のために」と言いたい気持ちを、ぐっとおさえて(笑)。「ひとりでできる、自己救済のためのツールのひとつです」「だれも助けてくれなくても、じぶんでじぶんを助けることができる。これは覚えておいて損はないでしょう」と話しました。

6.「詩を作ってみよう」前回は17文字の一行詩を作ってもらいましたが。今回は、行頭に自分の名前を入れて(折り込んで)詩を作る「折り句詩」ことにしました。いきなり詩を作るとなると一行でも大変ですが。名前の折り句詩ですと、とっかかりの一文字に悩むことはありません。自分の名前を折り込むので、自己紹介・自己アピールも兼ねられてたのしく便利です。

さいとうみわこさん・葉月野さんお二人のツイッター折句連詩『五十音順連詩』(あいうえお…を折り込んでやりとりしたもの)と。山田兼士さんの芭蕉の句(「折々の伊吹を見てや冬籠」を折り込んだ)折句詩『岩山望景詩』のプリントを参考資料として配りました。(さいとうさん、葉月野さん、山田さん。ありがとうございました!)

ただ。まずはわたしが、試しに誰かひとりの名前を聞いて、その場で作っていこうと始めたのは、よかったんですが。2コマ目の教室で、聞いた方の名前には、なんと…「ん」がついていて…想定外(甘い!)のことでしばしフリーズ状態、あせりましたw。心の中で(みわこさーーん!ん、はどうするんだっけーー?)と叫んでしまいました(笑)。(*前行のつづきとして、折り込めばよかったんですね。山田さんの折り句詩がその辺とても鮮やかにこなされています。)

そんなこんなでしたが。講座の始めに、「教科書以外で、詩を読んだことがあるひとは…」と手をあげてもらったら、120名のうちの2人だけ。。これが詩の現実かと、世間を思い知る場面があり。ちょっと不安になりましたが、杞憂でした。

さすが、今どきの女子大生さん。ケータイメールなどで、言葉のやり取りは鍛えてあるからでしょうか。みんな、うまい!つぎつぎに傑作がでてきて「自己紹介折り句詩」の威力に驚きでした。「あ、また一人、詩人が生まれました!」とかわたしもうれしくなって、声をあげてしまいました♪折り句詩なので、お名前が出てしまうので、ご紹介できないのが、残念ですが。とても自由な発想で、飛躍がたのしく、伸びやかで、保存版にしたい、折り句詩ばかりでした。折り句詩のお手本もよかったのでしょう。折り句詩の詩作は、大正解でした。

詩の発表場所として。ツイッターで詩や連詩ができることもついでにお知らせしつ。ツイッター連詩の冊子『pw30』も参考資料として配りました。ツイッターというみなさんの馴染みのツールなことで、こちらも女学生のみなさんに熱心に読んでもらってました。(pw30冊子の参加者のみなさまありがとうございました!)


詩の講義を担当した、ライフデザイン学科は。「物ではなく、心を豊かにするものを、暮らしのなかで模索していきたい」そういう理念のもとに、たくさんのカリキュラムが組まれているそうです。「学者を育てるのではなく、人を育てたい」そう熱く語る学科担当教授のお話をお聞きして、そこに詩が呼ばれることがとても嬉しくありがたく、思いました。

ことばではなく、こころをそだてたい。そだちたい。ひとや、こころを、おきざりにしない、ことばをさがしたい。「学者ではなく、人を育てたい」大妻女子大・ライフデザイン学科の学科理念は、わたしの願う、詩の姿と近いものを感じました。

たっぷりとした緑に囲まれた環境と景観のよい学舎です。いっときは学び舎は静かな自然の元でと、都心から自然豊かな近郊地へとつぎつぎ移転していましたが。近年の風潮として、やはり便利な都心へと学舎がUターンを始めたそうです。こちらの素敵な学舎も数年後には都内へと移転となるそうで、少しさびしい思いがしました。

担当の先生が持参したわたしの詩集「恋文病」を、いつの間にか読んでいてくださっていて。気に入ってくれたとのことで「ホテル」をみんなの前で朗読してくださったのに、驚きましたが。とても、嬉しかったです。詩についても、身近な話ばかりをしました。お役に立てたかどうか、こころもとないですが。こうして再び、喚んで頂いて、ありがとうございました。

新入生ばかりの女子大生の教室はお花畑のようでした。みんなお洒落できれい。楽しかった。眠る前に、詩を読んで、詩を書いた、人口がほんの、ちょびっと増えた、晩だと思うと、うれしい晩に、なりました♪

ライフデザイン学科の西成教授の言われた「ひとをそだてる」はそのまま詩にも言えることだと思います。詩を育てることが、人を育てることで、ありたいと、まずは自分自身に、願っています。育ちたいと願いながら、なんどもなんども、未熟なものに、推敲をかさね、書いていきたいと思います。もはや、わたしにとっても、詩をかくことが、わたしのライフラインであり、わたしのライフデザインなのだと思います。



ずいぶん端折って、まとめてしまいましたが。書きかけていたままに、なっていた7月の記事に少し手を加えてアップしました。(9月1日記)

読んでくださって、ありがとうございます。

by sechanco | 2013-09-01 14:13 | 日々
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