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朝がきた 宮尾節子
希望にこたえる 朝が いつまでも朦朧とした靄に隠れて 陽の光が射すことが ないときに
待っていた、朝がくる。
失望にこたえる 朝が。 いつしか胸に隠し持った力で 暗い火花を散らす 希望のない
失望の、朝がくる。
明るい 希望にこたえ られない。 なら 暗い 失望にこたえ よ。
とうしんをみよ とうべんをみよ。 しつぼうのあさがくる。
その火は 灯火の火ではない
めらめらと もえて はやる こころよ いくな。
その火は 戦火の火。
浮上したいかりの潜水艦 にくしみに接岸する巨大空母 包囲するものは狐火のような妖しい
絶望の朝だ。
「失望に負けるな」たとえ希望の見えないときでも 「失望に負けないでください」 詩でも、トークでも わたしの伝えたい思いは、多分それだけです。。
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